St-Sulpice駅界隈(6区) 

お宝がいっぱいの教会を見学し、知られざる名所へも足をのばそう。
 サン・シュルピス駅(4号線)周辺は、ブティックやレストランが集まって賑やか。意外なようだが、6区の区役所の向かいにあるサン・シュルピス教会がこの界隈散策の目玉だ。ダン・ブラウンのベストセラー『ダヴィンチ・コード』で騒がれたころは、世界各国から多くの人がこの教会を訪れたが、現在は改修工事中ということもあり静かなもの。入り口のすぐ右手に1861年に完成したドラクロワ晩年の傑作がある。幅4mx高さ7mの絵画が前後に2枚と天井画。ダイナミックなタッチと絶妙な色遣いにため息をつく。傑作だからと美術館に移すのではなく、本来のあるべきところにあるというのが素晴らしい。『ダヴィンチ・コード』に登場した日時計グノモンや、その上部にあるPSのイニシャル入りのステンドグラスも確認。なるほど、グノモンは礼拝席を微妙な角度で横切っている。この些細な違和感を物語に発展させた小説家の想像力に脱帽だ。他にもピガール作の彫刻や、ドラクロワの作品の反対側のチャペルにトリノの聖ヨハネ大聖堂に保管されている聖骸布の写真の展示がある。白く浮かびあがるイエスらしき人の像が神秘的だ。
 フランス語でメゾン・クローズと呼ばれる娼家。番地表示の番号が大きいのがその特徴だったそう。かつて娼家があったサン・シュルピス通り36番地にはそんな番号表示が今も残っている。15番地の入り口の床には、経営者名のAlysの文字の入ったモザイクが通りから眺められる。
 見学の仕上げは、 職人育成のための組合コンパニョナージュの小さな博物館へ。見事な細工を拝見し、目の保養をしよう。(里)

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『ヤコブと天使の闘い』

Eglise Saint Sulpice


Le Gnomon


36 rue Saint Sulpice

Place Saint Sulpice
噴水は1844年ヴィスコンティの作。


36 rue de Vaugirard
18世紀末にフランスで制定されたメートル法の標準見本。