●Fenouil
Fenouil(フヌイユ)、料理好きならフェンネル、またはウイキョウの名で知っているはず。外見は白菜やちんげん菜の白い部分のようで、かむとほんのり甘くアニスのような香りが口中に広がる。フヌイユは古代より熱狂的に愛されてきた。特に古代ローマでは刺激性植物として礼賛され、剣闘士たちは円形闘技場に入場する前にこの活力剤を大量に摂取し、勝者はフヌイユでできた冠を頭上にのせるのだった。フヌイユには生命力の強化、若返り効果だけでなく精力を向上させる効果もあると信じられていたので、ローマには「女どもが旦那にもたらすフヌイユの効果を知ったらパリまでだって飛んでくさ」ということわざがあった。Charlemagne(カール大帝)がこの薬草を「栽培不可欠な植物」の一つに指定したのも、そんな理由からか。(み)