4月6日、オンラインギャンブル市場開放法案が国会で最終成立した。南アフリカで行われるサッカーのワールドカップ開始直前の6月初めから、オンラインギャンブル規制局(ARJEL)の認可を得た民間企業サイトのスポーツ、競馬、ポーカーのオンラインギャンブルが可能になる予定だ。これに対し野党は同法を憲法評議会に訴えており、多少の紆余曲折も予想される。
現在フランスでは、国営のフランスセーズ・デ・ジュ(FDJ)とPMU(競馬)のみ許可されている。しかし、実際には外国のサイトでカジノ系の賭け事をしている人は100万人と推定されており、民間企業の参入でこの数は400万人に増加すると予想される。今回成立した法律は、仏市場の開放を求める欧州のギャンブル会社の求めで欧州委員会がフランスにFDJとPMUの独占廃止を要請したことを受けたもの。国にもメリットがある。仏政府の認可を得た会社は掛金の7.5%(ポーカーは2%)を国に支払わなければならないからだ。財政難に苦しむ国には朗報かもしれないが、賭け事が手軽になることでギャンブル依存に陥る人の数は増えそうだ。(し)