2008年秋の金融危機で総額198億ユーロの公的資金援助を受けたフランスの金融機関のうち、大手銀行が次々とその返済表明を打ち出している。9月末にBNPパリバが51億ユーロの返済を発表したのを皮切りに、クレディ・ミュチュエルが12億ユーロ、10月6日にはソシエテ・ジェネラル(SG)も34億ユーロの返済を発表した。来年初めという当初予定よりも数カ月も早い。BNPは危機が襲った2008年でも黒字を出し、2009年上半期も30億ユーロの純益を計上。43億ユーロの増資を10月末に予定している。
SGは今年、売上高が前年比2%増、第2四半期は3億ユーロの純益を上げ、48億ユーロの増資を予定。Dexiaの保有するクレディ・ノール株(20%)を年末までに買収して同行を完全に傘下に収める。この相次ぐ返済発表は、先の金融サミット(G20)によって、公的援助を受けた銀行へのさまざまな規制が今後一層厳しくなることを考慮してのことだという見方もある。いずれにしろ、危機から1年経たずに仏大手銀行が立ち直り、来年からの景気回復に向けて動いているというのは、朗報なのだろう。(し)