次期大統領選出馬を目指す社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル氏は、欧州議会議員選挙での欧州エコロジーの躍進に教訓を得たのか、環境を大切にする姿勢を前面に打ち出している。ポワトゥ・シャラント地方圏議会議長として、同地方で破産しかかっていた電気自動車製造の会社を強く支持したことは記憶に新しい。
9月9日テレビのインタビューで「ポワトゥ・シャラント地方では、太陽熱温水器を屋根に設置する家庭に奨励金を出していて、フランスの地方の中では設置率が一番高い。また発電用のソーラーパネルでも、ヨーロッパ一である」と得意げに語ったが実情は…。
太陽熱温水器に関していうと、2008年にポワトゥ・シャラント地方では、新たに615世帯が設置したが、フランスの26地方の中では9番目でしかなく、5400世帯が設置したプロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方の約11%にすぎない。奨励金はというと、フランスのほとんどの地方で出している。
ソーラーパネルは、フランスでは2008年に
91万m2、発電量91メガワッツ分のパネルが設置されたが、ポワトゥ・シャラント地方は1.75メガワッツ分のみで、フランス各地方の7番目。ロワイヤル氏は「ヨーロッパ一」と大見栄を切ったが、ドイツを例にとると、2008年度はフランスの約60倍の5350メガワッツ分のソーラーパネルが設置されている。バイエルン地方だけでも400メガワッツ!
こんな数字を突きつけられたら、ロワイヤル氏、どうするのだろう。(真)