ヴルト予算相は8月30日、スイスの銀行に口座を持つフランスの納税者3000人(預金総額30億ユーロ)のリストを入手したと発言し、追徴金を支払わない場合は刑事責任を追求するという強硬姿勢を示した。さらに、タックス・ヘイヴン(租税回避地)における資産への課税率を引き上げる意向を明らかにした。現行制度では、租税回避地に税制上居住する個人や企業に対してフランス企業から支払われる配当金、利子などへの源泉課税率は15~35%。これを50%に引き上げる。去る8月には、金融危機で51億ユーロの公的資金援助を受けたBNPパリバ銀行が、総額32億ユーロのボーナスをトレーダーに支給することが発覚し、物議をかもした。政府と主要銀行経営者が協議した結果、昨年度の成果に基づいた今年度のボーナスは支給額の3分の1とし、業績を考慮しつつ残りは次年度、次次年度に支給という分割払い方式で合意した。こうした租税回避問題やボーナス規制については、9月24日、25日に米国のピッツバーグで開催される20カ国金融サミットでも協議される予定だが、決定されたルールを各国に忠実に実行してもらいたいものだ。(し)