互いにアーティストとして生活したいのはやまやまだが、平日は雇用センターで働くディディエさんとヴァネッサさん。でも、始まりは職場恋愛ではない。2年半前の2月上旬、ドラマチックな出会いを果たした。 週末画家のディディエさんが開いた個展に現れたヴァネッサさん。真紅のドレスに身を包んだ彼女に「いったい誰なんだ? 何の目的でここにいるんだ?」と謎が膨らむディディエさん。一方、彼女は「まるで船長のような大男だった」と第一印象を語る。当時、ヴァネッサさんは服飾デザイナーとして自分のブランドを立ち上げていて、一緒に暮らす恋人もいた。 でも、最初に行動を起こしたのはヴァネッサさんの方だ。何通かメール交換の後、大雨の降るバレンタインの日に、彼を食事に招待した。場所は、彼女のルーツでもあるハンガリー料理店、18区の「プチ・ブダペスト」。その晩は、ほとんど食事が喉を通らなかったディディエさんをバーに誘ったのも彼女の方。数日後、ヴァネッサさんはさっさと荷物をまとめて、恋人のもとを去った。そして翌月妊娠、11月結婚。2カ月後には元気な女の子が生まれた。と、ここまでは猛スピードの恋愛物語だ。 ところでディディエさんには、レンヌにもう一人の娘がいる。彼女とは月に一回、週末を過ごし、休暇の半分を過ごすことになっている。ヴァネッサさんの心境は複雑だ。「彼女の前ではタブーの話題がたくさんあるの。11歳の女の子だから世界の中心でありたい年齢だし、いつも彼女の話に耳を傾けてあげなきゃいけない。レンヌに戻ったら母親の前ですべてを話すでしょうし、四六時中、気を遣わなければいけないのよ」と胸のうちを明かしてくれた。「彼女はディディエの昔の恋愛のあかしとして、私たちの人生の最後までついてくるの」 この8月彼らは2週間、別々にバカンスを過ごす。「こんな複雑な状況が待っているなんて想像もしなかった」と二人で声をそろえる。ディディエさんの本音をいうと、家族全員で休暇を過ごすことなのだが・・・。(咲) これから相手に期待したいことは? 前回のバカンスは? 夢のバカンスは? 最近、家族で出かけたイベントは? カップルとしての満足度を5つ星でいうと? |
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