「食いしん坊で、おいしいものに目がない人じゃなきゃ一緒にいられないわ!」とカロリーヌさん。出会いは、3年半前。ラジオ局に勤めるトマさんに、インターネットにレストラン批評を流す企画が持ちあがった。こっそりデジタルレコーダー持参で入店し、料理ジャーナリストのカロリーヌさんが実況中継する声を録音。2度、3度、夕食を共にするうち、しだいに恋に落ちていった。「耳と舌」のカップル誕生である。 ナント出身のカロリーヌさん、子供のころは調香師になりたかったほど、鼻が利く。15歳で「五感を磨く」訓練を受けたけれど、化学系分野はからきし苦手。調香師の夢は断念した。5年間、ゴー・ミヨーの調査員を経て、フリーランスに転向。一方、トマさんはピレネー山脈のふもとに生まれ、幼いころから大のラジオっ子。数年前、ラガデール社傘下のラジオ局の東欧部門スーパーバイザーになってから、週三日は海外出張に出かける。早朝5時からラジオ番組を試聴し、その国の言葉が分からなくても、パーソナリティーの声のトーンで、番組の良し悪しをかぎつける耳の持ち主だ。 平日の昼、カロリーヌさんは一人で食べ歩きをし、地方取材に行くこともしょっちゅう。時々、夜をともに過ごすチャンスがやってきたら、もちろんレストランへ! 心底リラックスして食事を楽しみたいトマさんに対し、職業柄、つい分析癖が出てしまうカロリーヌさん。超多忙な平日を経て二人がそろう週末は、「もうクタクタ」、「何もしないのが一番」と声をそろえる。ブランチがてら、定番の和食店でトンカツラーメンを食べるのが好きなトマさん。カロリーヌさんは、そこのメニューを制覇した。 二人の短所に迫ってみた。「仕事に夢中になりすぎて、プライベートと仕事の境がなくなっているのが玉にきず」とトマさん。「彼は朝から晩までネット、ラジオをつけっぱなしで、寝る直前までフランス・アンフォを流しているのよ」。その横で、10年前からトマさんと暮らし続ける盆栽が、でーんと構えている。(咲) これから相手に期待したいことは? 夢のバカンスは? 最近二人で行ったコンサートは? お気に入りのレストラン? カップルとしての満足度を5つ星でいうと? |
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