3月半ばから続いていた独タイヤ製造コンチネンタル社クレロワ工場(オワーズ県)のリストラ争議の決着がついた。5月29日、規定の解雇手当に加えて1120人の従業員一人当たり5万ユーロの離職手当の支払いで労使が合意し、6月6日には経営者側が正式に了承した。
この合意によって、従業員は今年10月まで給与の100%を支給され、その後23カ月間は有給の転職訓練期間が保証される。3月11日の閉鎖発表以来、労組が抗議運動を展開し、数週間前からは独本社と仏子会社の責任者、労組代表、仏政府代表の間で交渉が行われていた。クレロワ工場は今年か来年に閉鎖される予定で、パリジャン紙の報道によると、ドバイの自動車機器〈MAG〉が同工場を買収するらしいが、その場合は400~500人程度しか雇用されない見通しだ。同じくタイヤのグッドイヤー・アミアン工場も5月26日に820人の解雇(従業員総数1400人)を発表し、労組はコンチネンタル労組の支援を受けて、工場閉鎖などの抗議運動を展開している。自動車業界不況の余波はこれだけでは終わらないだろうし、リストラ関係の労働争議もまだ続きそうだ。(し)