『春の祭典』の踊りで20世紀バレエの軌跡を敷いたニジンスキー。1919年1月から精神分裂の症状がひどくなり精神病院に入院し、1950年に亡くなるまで病院を転々、再び踊ることはなかった。病院に入る直前、スイスのガドラムント邸で書きつづった『ニジンスキーの手記』。コトバが宇宙の力の前で解体し意味を失い、ニジンスキーの体を通して、新たな秩序で再構築されていく原風景。
その新言語をささやき、うなり、叫びながらベネディクト・ルラメールは、人間の奥に潜む獣性が、限りなく聖なるものに近いことを体現し、5人のミュージシャンたちが、ある時はあおり、ある時はなぐさめる。ラスト近く、影のニジンスキーを演じるディディエ・ルラメールが舞台に登り、何度か跳躍を繰り返す。「まるで空中に静止したような」跳躍を。演出はパスカル・キルシュ(真)
精神病院でのニジンスキー。跳んだ!
21日19h、22日21h。10e。
Lavoir Moderne Parisien : 33 rue Léon 18e
01.4252.0914 M°Château Rouge