金融危機によってフランスの各銀行株は軒並み下落し、自己資本率は低下の一途。これを受けて仏政府は10月13日、総額3600億ユーロの支援を決めた。その内訳は銀行融資への政府保証3200億ユーロと公的資本注入400億ユーロ。後者にはクレディ・アグリコル、BNPパリバ、など主要6行への計105億ユーロの資本注入が含まれることも20日決まった。家計や中小企業、地方公共団体への融資を促進する狙いだ。
一方、金融危機の影響をもろに受けている中小企業への支援策として、サルコジ大統領は23日、新規投資に対する2010年までの事業税免除、中小企業への融資保証などを発表したほか、国営金融機関である預金供託金庫を通じて投資戦略ファンドを創設し、金融危機で弱体化した企業への資金注入や中小企業への投資を進め、国内の経済活動保護のために政府のテコ入れを強化する姿勢を明確にした。こうした政府主導のやり方にはEU諸国や経済界は必ずしも賛意を示していないようだ。また、失業や貧困化といった国民末端の問題の解決につながるのか、それにも依然として疑問が残る。(し)