海外引越し。まず捨てることから始めよう!
貧乏学生の生活レベルの我々夫婦が帰国することになった。物は少ないといっても20年近いフランス生活でたまったガラクタが隠れている。海外引越しの手頃なシステムがあるという噂は聞いていたので、早速オペラ街へ。2件程見積もってもらって即決。融通が利いて安い方。船便。
数日後、美しい梱包資材が届く。何から詰めて良いのかわからない。荷造りは捨てることからはじめよう。捨てる捨てる捨てる…。我が家の場合、家電や家具はネットなどで告知し売却もしくは友人に引き取ってもらい、送る荷にはならない。洋服も寄付したり捨てたり最少限で詰めた。本や紙類が一番多かった。
日本。しばらくして荷物到着の連絡が入る。
何カ国もの港に停泊してきただろうにもかかわらずで問題もなかったのか、早く着いたので、定住先が決まるまで倉庫で預かってもらう。
パリで荷物とお別れしてから2カ月、引越し先の日本の畳の上に積み上げられたフランス語の書かれた28個の箱は異国のにおいがする。そろそろと荷を開け、恥ずかしいような懐かしいような、後悔のような不思議な気持ちになった。(麦)