Fofana Sekou
まいても絶対に芽が出ることはないであろう種、こぼれ落ちた実、ひび割れた貝殻、今にもきばをむきそうな動物の歯。何に使われるのか全く不可解なそのゴミのようなものたちは、それでもどこか厳かな雰囲気を持って、棚の上に収められている。「黒魔術に使うのさ」店主は私を見てニヤリとした。「どんな願いもかなえられるし、どんな病気だって治せる薬も調合できる」。タイムマシーンに乗って、千年前にタイムスリップしたような気分だ。
床の上にうず高く積み上げられた無数のヒョウタンcalbasseを見て、われに返る。セーフ! 不恰好でひょうきんな姿のあの子たちなら、私の生活にも取り入れられそう。昨日、割ってしまったサラダボールの代わりに、中位のヒョウタンを購入。底が丸いので確固たる安定感はないものの、そのアンバランスな立ち姿が何とも愛らしい。直径が1メートル位ありそうな大きいヒョウタンは、ベベのお風呂として使ったり、洗濯だってできる優れモノ。観葉植物の鉢としても使ってみたい。ヒョウタンで心地よい「ウペポ(風)」を感じる空間作りにハマリそう。(香)
44,46 rue Myrha 18e 06.1061.0678
ヒョウタン6€、さじ1.6€。
Sauce aux gombos
ネバネバ糸を引くアフリカのオクラ入りソースを作ろう。
アフリカ食料品店で、4、5人前として、黒い干し魚1尾とオクラを500グラム、辛い唐辛子を1、2本買ってくる。干し魚が面倒なら、サバのくん製とか、
カツオブシや干しエビ、スルメで代用。ゼラチン質が多い煮込み用の牛肉も800グラム買ってくる。
厚鍋に、油をとり、みじんに切っておいたタマネギ2個を炒め、透き通ってきたら、角切りにした肉を加え、塩、コショウ。しばらく炒めたら水をヒタヒタ
に加え、固形のスープの素を入れ、さらに水でもどしてほぐしておいた干し魚を加える。沸騰したら弱火にし、コトコトと約2時間ほど煮込む。肉が柔らかく
なってきたら、オクラをさっと洗い、へたを落とし小口切りにして加える。木のスプーンで静かにかき混ぜながら20分ほど火を通す。鍋の底にくっつきやすい
ので、終始弱火です。
付け合わせはご飯。ネバネバのソースとからめつつ食べる幸せ。ヤマイモ粉の団子、フーフーを作って添えたら、ぐんとアフリカらしくなる。おろしたり、みじんに切った超辛唐辛子も忘れずに添えたい。(真)
Maffé (sauce arachide)
ピーナッツバターがたっぷり入ったマッフェもアフリカの代表的なソース。トリのマッフェを作るが、ボクはあらかじめ、ブーケガルニなどと共に6つか8つに切り分けたトリ1羽を下煮しておく。
厚鍋に油をとり、みじんに切った玉ネギ2個とニンニク2片を炒める。軽く色がついたら、かなり柔らかめのカレーといった感じになるようにピーナッツバ
ター300グラムとトリを下煮したときの煮汁を加える。鍋の底にくっつかないように木のヘラで絶えずかき混ぜる。沸騰してきたら、トマトのピュレ300グ
ラムと、輪切りにしたニンジン2本を加える。トリの固形ブイヨン1個、塩、コショウ、唐辛子で味を調え、トリを加え、弱火で20分ほど煮るとでき上がり。
Foufou (foutou)
アフリカの主食の一つ、フーフー(フートゥー)は作るのがむずかしいから、〈Bonfoutou〉というインスタントもある。同量のぬるま湯と混ぜ合わせて、濡れ手でだんごの形にまとめるだけ。少々苦く、山イモの味がきちんとする。アフリカの食料品店で。
Lampe Fall
アフリカ人は音楽が大好き、音楽に合わせて踊ることが大好きだから、当然のことながら、彼らが集まってくるこの界隈にはDVDやCDを売っている店が多い。いずれも小さな店だけれど品数は豊富(カセットテープも揃っている!)。セネガルの素晴らしい歌手オマール・ペネのコンサートのポスターにひかれて入ったら、やはりご主人のカベさんはセネガル出身だった。さっそく、今セネガルで話題のアルバムは、とたずねてみた。
「パップ・ディフかな。35歳で、これからのセネガルポップスを背負っている。ヨーロッパツアーも行って、スペインやイタリアで人気がある!」。さっそく買って帰って聴いてみたら、独りでに体が動き出すムバラのリズム…。イスマエル・ローを思わせる軽いノリが新しい。「FNACより安い」コンサートのチケットも売っている。無休。(真)
45 rue Doudeauville 18e 01.4255.0709 アフリカンポップスのコンサート情報にも注目。
Olympic Cafe
この界隈で一目おかれている存在がOlympic Café〈rue Léon〉というアソシエーションが経営する。アクチュアルな音楽を提供し続け、また、同じ通りにテアトルも持ち、音楽ファン以外からも常に注目が集まる。ジャズ、ポップを中心に、アフリカ音楽のライブも積極的にプログラムに取り入れるなど、地域との関わりに対して敏感だ。会員になれば、入場料は5ユーロ。地下がコンサート会場で、地上階では食事もできる。
20 rue Léon 18e 01.4252.2993
www.rueleon.net/