定年退職・年金制度改革はイバラの道。

 近年の物価高騰によって老後の生活不安がますます増大しているためか、今年のメーデーのスローガンは購買力向上と定年制度改革に関するものが目立った。定年・年金制度改革については、日頃は分裂気味の労組も5月15、22日に一斉にデモやストを行う予定だ。
 フランスに限らず、高齢化社会が進む先進国では年金制度の改革は必須。それなくしては将来、年金制度がパンクすることは誰の目にも明らかだ。仏政府は定年退職年齢の引き上げ、年金保険料の支払い期間を2012年までに現行の40年から41年に段階的に延長することをすでに2003年に決定している。公団職員・公務員の職業によっては定年年齢が55歳と早いためか、実際の平均退職年齢は58.7歳、55~64歳の就業率は、65歳定年に移行した国もあるEU平均の43.5%より低く、わずか38.1%。「辛いだけで見返りの少ない仕事から解放されて早く退職したい」、「既得権を失いたくない」という労働者側の意識、「シニアは雇用しにくい」といった雇用者側の意識を変えることが必要だが、これが非常に難しいのは言うまでもない。(し)