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●秋は映画の季節 水曜日は、何も習いごとをしていない娘と一緒に、朝はジョギング、自転車、縄跳び、午後はお出かけ、と決めている。公園での散策もいいけれど秋も深まってきて、なかなか戸外で午後いっぱいを過ごすわけにもいかず、映画好きな私の影響で、大きなスクリーンのあるあの暗闇の世界に自然と足が向いてしまう。娘の父親は「不健康だ!」と非難の目を向けるけれど、この秋はよい作品が目白押し(ちょっと大袈裟かな?)なのでまあ仕方がない。 最近観に行ってよかったのは、修復されて再公開された『赤い風船 Le Ballon rouge』。20代以上のフランス人ならば必ず一度は観たことのある、アルベール・ラモリス監督が1956年に撮った名作だ。少年と赤い風船がパリの街、特にベルヴィル界隈をさまよう様子が印象に残る。同時に修復されたラモリス監督の『白い馬 Crin-Blanc』(1953)という、南仏カマルグを舞台にした少年と馬の触れ合いを描く作品も上映されている。 アメリカ人のマシュー・ヴォーンが監督した『スターダスト Stardust, le mystère de l’étoile』という作品も気に入った。イギリスを舞台に、憧れの彼女に「星」をプレゼントしたくて流星を追う青年が、流星の心を奪って永遠の美を得ようとする魔女たちや、玉座を狙う王子たちの紛争に巻き込まれ、しまいには「流星」と恋におちる。しかも本人は知らなかったのだけれど、青年は王家の跡取りだった…という冒険たっぷりのラブストーリー。ロバート・デニーロ、ミシェル・ファイファーなど名優が、脇役で好演しているのもうれしい。これからクリスマス休暇にかけ、ディズニー製作の『魔法にかけられて Il était une fois』を代表に、まだまだ子供向けの映画作品が次々と公開される。ところで私たち母娘が次に狙っているのは、CDで話を繰り返し聞いて、俗語まで憶えてしまったレイモン・クノー原作、ルイ・マル監督のリバイバル公開作品『地下鉄のザジ Zazie dans le métro』かな?(海) |