La vie devant soi

 作家ロマン・ギャリーが、エミール・アジャールと名を変え、2度目のゴンクール賞を受賞したことがどちらかといえば話題になった『La Vie devant soi
これからの一生』だが、個人的には感銘を受けた小説で、舞台化されたとなると自然と足が向く(1977年にモーシェ・ミズラヒ監督、シモーヌ・シニョレ主演で映画化されている)。
 ポーランド出身、第二次大戦中強制収容所に送られた後、生き残ってフランスに戻った元娼婦マダム・ローザと、彼女の元へ里子に出され、幼い時から慈しんで育てられてきた回教徒の少年モハメッド。二人は、1960~70年代の庶民的な街ベルヴィルに生き、日々をしのぐことで精一杯の人々と接してきた…。
 今回、デディエ・ロング演出の舞台でマダム・ローザ役を演ずるのはミリアム・ボワイエ。最近は彼女の息子クロヴィス・コルニアックの方が話題にのぼることが多いけれど、舞台、スクリーン共に経験を積んでいるのは、当然母ボワイエの方。ボワイエ演ずるマダム・ローザは、ギャリーの小説から想像するイメージとは若干違うものの、その語り口や微妙な仕草までが、重い過去を引きずりながら自らの価値観を重んじ、愛しい者には平等に愛情を注ぐ老女の姿を見事に象徴している。ボワイエに対し、モモ少年になりきるアイメン・サイディの熱演にも拍手だ。そして、決して短いストーリーとはいえない原作から老女と少年の関係がわかるシーンを的確に抜き出し、モモと実の父親とのからみ、マダム・ローザの最期など主要な箇所を盛りこむ2時間の脚本に仕上げたグザヴィエ・ジャイアールの筆の力にも脱帽!(海)


Théâtre Marigny-Salle Popesco :
Carré Marigny 8e 01.5396.7020
12月31日迄。火-土21h、土マチネ16h、日16h30。31-44€。
 


 

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