入院生活が始まった。

 高熱から突然意識を失い、病院に運び込まれたミラ。検査の結果は尿路感染症という病気で、入院が必要だという。案内された個室の中央には、高い柵付きのステンレス製幼児用ベッドがあった。どこか動物園の檻を連想させる。いつも私と添い寝しているミラは、このベッドではきっと寝られまい。看護婦には、私と一緒に大人用のベッドで添い寝させてくれるようお願いしたが、フランスでは添い寝の習慣がないためか渋い顔をされる。しかしなんとか夜だけということで、お許しをもらえたのだった。
 ミラはその後も高熱が続き、何を飲んでも食べてもすぐに吐いてしまう。自慢の二重あごがあっという間にやせこけ、顔が縮んで見えた。私は心配のあまりいっときも娘の側を離れられないから、お風呂にも入れない。日中は学校に通うジルは、朝と夕方に見舞いに来て、着替えと食料を運んでくれた。彼も、誰もいないアパートに帰り一人寝るのは、寂しかったという。
 4日目の昼、ミラの熱が微熱程度になったので、ようやく退院の許可がおりた。だが喜びも束の間、病院からは恐ろしき額の請求書が。非情な請求書を覗き込み、ジルと一言、「やっぱりミュチュエル(相互共済保険)に入ろう」。ちなみに、恐れていた消防署の救助車の請求書は、ついに送られてこなかった。救急車と違い無料なのだろう。(瑞)

夏の間は、チュイルリー庭園で大観覧車に乗ってみよう
 パリのど真ん中にあるチュイルリー庭園には、夏の間大観覧車が設置される。娘ももうじき5歳、そろそろ乗せてもいいころだろうと、晴れた日に出かけてみた。
 夏休みいっぱいリヴォリ通り側に設置された小さな遊園地には、観覧車以外にも、回転木馬、豆自動車、ジェットコースター、ビックリハウスなど、子供が歓声をあげる乗り物がいっぱい。6ユーロと少し高めの大観覧車以外は1.5ユーロから3ユーロで利用できる。観覧車の上からパリを見下ろすのは大人にも気持ちがいい。怖がるかと思ったら案外平気、娘も身を乗り出して歓声をあげている。
 炎天下、遊園地にも少し飽きてきた。そこでなるべく日陰を選びながら庭園を散策する。コンコルド広場側に常設のトランポリンをみつけた。5分間2ユーロと書かれているけれど、係のおじさんは15分間遊ばせてくれた。これはいい運動だ。その後はポニーに乗ったり、オモチャの小さなボートを借りて池に浮かばせて遊ぶ。
 チュイルリーはパリでいちばん古い公共の庭園。チュイルリーという名前は、中世期には沼地だったこのあたりでtuilleチュイル(瓦)を作っていたことに由来している。庭を設計したのは、ルイ14世お抱えの造園家でフランス式庭園を発案したル・ノートル。ルイ14世の時代には植物と彫刻が共存する庭園だったという。その名残りというわけではないけれど、現在はデュビュッフェ、ジャコメッティ、エルンストなどの彫刻がところどころに置かれ、訪れる人々と静かなひと時を分かち合っている。(海)
Jardin des Tuileries :
1 place de la Concorde 1er 01.4220.9043
夏期は21時迄開園。遊園地は8月21日迄。平日は24時、週末は01時迄。

ポニーとも仲良しになれる。