Patrizia Lippi 主婦 「魅力的な袋小路…」

 ミラノ出身のパトリツィアさんは、ミカエル(4歳半)とリディア(2歳)の2児の母。BNPパリバ銀行に籍を置きながら、現在は3年間の育児休暇の真っ只中。「一人目を産んだ後はすぐに仕事を再開したけど、今回は子供の成長を間近で見たくなったの」。幼い子供を持つ親として、パリで最も気に入っている点は、子供連れでも楽しめる催しやお祭りに事欠かないことだという。
 住まいは、小さな裏道のそこかしこに一軒家が連なるアレクサンドル・デュマ(20区)。都会とは思えない田舎っぽさが、この界隈の魅力で、住人はのん気で屈託がない。「実をいうと、ここには住居の広さと値段の都合で、越して来たの。子供がいなければ、きっと住まなかったと思うけど、これが大当たりだったわ」。ミラノの実家を離れて、パリで就職、結婚。長年慣れ親しんだ植物園(5区)付近から、パリの東部に移る決め手となったのは、20区に広がる緑の一帯と、自宅アパートの約百平米のテラス。生け花や寿司の教室に通ったこともある、日本びいきのパトリツィアさんにとって、自宅の庭に和風庭園を演出することは長年の夢だった。
 「街の美しさでいうと、5区に軍配が上がるけど、ここには下町特有のぬくもりがある」。とりわけこの界隈のお気に入りは、ヴィニョル通りからのびる、魅力的な袋小路。この30年代辺りの「古きよき」時代を彷彿とさせる雰囲気は、ミラノではどこにも見当たらないという。緑が好きなパトリツィアさんの、普段の散歩コースはレユニオン通りの自然公園と緑豊かなペール・ラシェーズ墓地。「本当ならピクニックがてら、いつものコースを案内したかったけれど」と残念そうだが、この日はあいにくの雨。自宅で、リコッタチーズとほうれん草のニョッキと、仔牛のマルサラ風味をご馳走になった。家庭の食卓風景を大切にする、イタリア女性のエスプリを垣間見た午後のひと時だった。(咲)

 

●Osteria Ascolani
 「イタリアの家庭の味が恋しくなったら」と、パトリツィアさんが通う店。基本のコース(21.90euros)は、次々に登場する4皿のアンティパストに、パスタとデザートでお腹一杯。素朴な家庭料理を、たっぷり堪能するにはうってつけの一軒です。この季節なら、シチリア産のロゼワイン〈Lapitala〉片手にボナ・ペティート!
98 rue des Martyrs 18e
01.4262.4394 M。Abbesses
無休19h-2h。


パリの空気はmediocre

数日間 mediocre(6、7 やや悪い)だったパリの空気は、夏至の前日 mauvais(8 悪い)と判断され、パリでは緊急に市内の住民用の路上駐車を無料にし、車をなるべく使わないように、そして車の速度を20km/hに制限するよう呼びかけた。春先からスギ花粉、初夏はイネ科花粉らのせいで、周りにもたくさんいた鼻声やなみだ眼の人々に加えて、呼吸器系の弱い人にはますますつらい季節になった。
フランス全土で40のアソシエーションが大気を観測し、パリはAIRPARIF がイル・ド・フランス地方1300市町村の数値を受け持っている。その日の大気質指標が10段階で示され、硫黄・窒素酸化物やオゾン、花粉量の数値も毎日発表される。「ヘェこれで bon(4 良い)?」と疑ってしまう日もあるし、郊外からパリに向かう高速道路や電車から見るパリの空は黄色く「あの下で息してるのか」と嘆息すると、友人らも同調。ではパリを脱出して空気のきれいなコート・ダジュールでバカンス!といったって南仏は国内大気汚染ワーストワンだ。けれどもアンケートで「地球の大気汚染はひどいが、自分の住んでいるところの空気はきれいだと思う」と答えた人が結構いるのだから、人間心理?適応力?(麦)
www.airparif.asso.fr/
“AIRPARIF”
www.buldair.org/ “BULD’AIR” www.ademe.fr/
“Agence de l’Environnement et de la Maitrise de l’Energie”
www.ifen.fr/
“Institut franais de l’environnement” www.actu-environnement.com/ae/news/1112.php4
“ACTU-Environnement”

近年、工場の排煙はフィルター強化等によって相当抑えられているという。南仏エックスを先頭にグルノーブル、トゥーロン、ヴァランス、リヨン、マルセイユ、ストラスブール、ルアーヴルなどの大気の質はかんばしくない。