今年の3月、ロワール・エ・シェール県ヴァンドーム市(人口1万8000人)のダニエル・シャネ市長(54)は、自分が結腸ガンにかかっていることを医師に知らされる。「初めから市民に私の健康状態を知らせるべきだという確信を抱いていました」。数日後、友人のモーリス・ルロワ県議会議長に病気を打ち明け、次の県議会で彼の手紙を読んでくれるように頼む。 「(…)3カ月間の化学療法を受けることになりました。ガンにかかっていることを、私の身近だけでなくみなさんにも知ってもらいたい。治ると思っています。闘う気力充分です。早くみなさんと再会したい」。静まりかえった議場で、ルロワ議長は涙ながらにその手紙を読み上げる。 シャネは、ヴァンドーム市生まれ。機械工から技術高校の教師になり、15年前から同市の市長職に就いている。この知らせはたちまち町中に広まった。「市民に対して誠実で勇気ある行為だと思う」という意見が大勢を占め、続々と見舞いのコトバが寄せられた。「大きな力づけになります。ヴァンドームのために働き続けなければ…」(真) |