昨年11月末の組閣で、ニコラ・サルコジの後を継いで経済相に抜擢されたエルヴェ・ゲマール前農林相。まだ44歳の若さだ。「2006年度と2007年度も減税」というシラク大統領の要望に応えて、経済相としては赤字財政解消が第一目標にもかかわらず「もちろん実現可能。大統領は任期の初めに5年間で30%減税を公約したのだから、それが私たちの目標」と支持。周りから「大統領の配下 homme du président」と呼ばれたり、次期大統領選出馬に備えた大統領の捨て駒などと陰口をたたかれても、いつものゲマール・スマイルで平気な顔…。 1960年5月30日、サヴォワ県のブール・サンモリスで生まれる。両親は牧畜業者。エリート校の国立行政学院卒業後、33歳で国民議会議員に。4選を重ね、2002年5月の第1次ラファラン内閣で農林相に就任した。「個人的な意見だがオオカミは全滅させたい」と発言して環境保護団体ににらまれたりもした。ゲマール経済相は敬虔なキリスト教徒で、高級官僚の妻クララとの間に8人の子供がいる。週末ごとに、家族ともども両親の家に戻り、サヴォワ山地の美しい自然にひたって、心身を休める。(真) |