右はペール・ラシェーズ墓地から左はヴァンセンヌの森まで180度、遠くは南 に伸びる高速道路の灯、夏はパリ市中の花火、もちろんエッフェル塔、モンパルナス・タワー、日の出も見える。「日の入りの位置が変わるでしょう? それをボケ−ッと見るんですよ」とカオルさん。「時々パリが公害で黄色くなってエッフェル塔も見えなくなる」とトシさん。 この高層アパートに住んでいる二人は多趣味。まずはタコ揚げ。セーヌ川向こうの工場の煙突の煙で風の強さと方向を自宅から観察し、ヴァンセンヌの森で練習する。タコ世界チャンピオンのYさんが師匠なので彼らの腕前もなかなか。仕事を兼ねたもう一つの趣味はコンピューター。「Amstradではじまって89年にMac II。あの頃は高かったし遅かったし大変だった」と、今や “コンピューター、webマスター” のトシさん。ココからの抜群の眺めや窓から見えるパリの風景は<www. ksm.fr/pausecaf/pausecjp.htm>で見れる。他には《パリの壁画》《ペール・ラシェーズ・お墓めぐり》のページもある。在仏20年、この高層アパートに住みはじめてから7年たつ彼が見下ろすパリと、足で歩いて見たパリが良くわかる。 自宅勤務のトシさんの仕事部屋からは香港まがいの高層住宅が見える。ギリシャ・ラテンの古典から現代物理学と分野が広い本、本…不思議と本棚とビルの格子の窓がマッチして良い雰囲気。特に夜はコンピューターと街の灯が現代的。 二人の趣味のとどめは音楽。彼ギタ−歴28年、彼女ピアノ歴29年の本格派だ。彼のギターに彼女のシンセのデュオがパリを赤く染める。そういえば近所にある駅バー “Fl縦he d’or” が毎週素人飛び入り歓迎コンサートをやっているので、出演を勧めたら「いやー」と軽く流された。それもそのはず、トシさんは元セミプロ。大昔 (失礼!) グラムロック (ヒェ~ッ) で鳴らしたプロ顔負けの彼のオハコは、ジェフベック! (ウォ~) 。そして切り札は、夕日を背に泣かせてくれるツェッペリンの “天国への階段” でした。 タコ、高層アパート、天国への階段…と、高く高く上昇するお二人です。(麦) |
自慢のGibsonレス・ポールと本とカオルさん
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コットン製の自然家族 どこにでもいる家族。それがこの漂白剤も薬品も使わないで加工した100%バイオ、コットン製手作り人形の特徴だ。性別、性器もあり、わき毛も生えている。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供、そして犬もネコも存在する。この人形達の産みの親は、フランス人のカップル、ジュディットさんとラファエルさんで、二人目の子供がもうすぐ産まれる “どこにでもいる家族” だ。かつて薬品、汚染等に反対するスローガンを掲げた手作りバイオTシャツは、6区の自然食品専門朝市に来るドヌーヴやドパルデューなどの超有名俳優たちが気軽に買って行ったそう。今やポンピドーセンターのショップや大手デパート “クリエーターコーナー” でも手に入れることができるくらい有名になった「自然家族」は、今度大ブランドの特注の服を着せてもらえる上にファッションショーの予定もあるそうだ。(麦) 着せ替えもできる |
トシさんとカオルさんのご近所にアトリエを持つ”自然家族” の産みの親、ジュディットさんとラファエルさん。 |