テレコム関連のエンジニアであるジルさんが現在のアパルトマンに引っ越してきて約1年。若きエリートということは知っていたし、引っ越し当初と違ってさぞかし家具やインテリアなどが充実していることだろうと思って期待して訪ねたら、意外にも昨年の状態とさほど変わりなしで、室内は結構ガランとしている。 どうして? と聞くと、「学生時代からの続きで、必要最低限のモノしか置いていないから」という返事が返ってきた。「女の子なんかはインテリアにこだわったりするのだろうけど、僕は男だし…。学生のスタイルそのままだけれど、もう学生ではないから、”ミニマリスト (必要最低限主義者)” とでもいうのかな」 暇な時間があれば、近所にある市営図書館へ出かけて本を読むか、市営プールへ出かけて泳いでいるという。スキーやラグビーを愛するスポーツマンでもある彼は、家の中の細かいことにはこだわらない硬派なのだ。 このアパルトマンは、実は賃貸でなく購入したものなのだが、その理由も合理的。賃貸の場合でも、同等の広さと立地では5000F程度の家賃を払わなくてはならない。一方、購入した場合でも、毎月の返済額は同じくらいで済むので、返済が終われば、生活にずいぶんゆとりができるというわけだ。 住まいをポール・ロワイヤル駅の近くに選んだ理由は、映画を観にいったり、友人たちに会いに出かけたりと何かと足を運ぶモンパルナス、カルチエ・ラタン、ダンフェール・ロシュローの三つの地区のちょうど真ん中に位置するということと、仕事先がデファンス地区なのでポール・ロワイヤル駅を通っているRERを使うと通勤に便利だからだそうだ。そして目と鼻の先にリュクサンブール公園があるのも満足の理由のひとつ。 ジルさんが住んでいるのは4階だが、実はこの旧建築の建物の最上階。バスルームとキッチンには天窓がついていて自然光が差し込むのが素敵だ。ジルさんは外出していることが多く、あまりおウチで過ごさないそうだけれど、植物のひと鉢でも置いたらもっと居心地のいい空間になるのに、と老婆心ながら思ったりもするのでした。(里) |
洗濯機まで完備した機能的なキッチン。 自然光が差し込んで気持ちよさそうなバスルーム |
ジャン・タリス市営プール。
●カルチエ・ラタンの快適プール フランスの南西部に位置するコレーズ地方出身のジルさん。田舎に比べるとパリの人は閉鎖的だし、何といってもスポーツをする機会が少ない!と嘆く彼が足繁く通っている市営プールです。 市営プールと聞くと、料金は安いが設備の点でもうひとつと思いがちだが、ここのプールはきれいで快適だ。 更衣室に男女の区別がないのはちょっと驚きだが、荷物を預けるコインロッカーの他に、更衣用に鍵がかかるキャビンがあるので心配はご無用。帰り際にシャンプーしている人が多い(!) 温水シャワーを浴びて屋内へ。水深0.7~1.2mの小プールは、水温が高めで、年配の女性などがインストラクターの指導のもとウォーキングをしていたり、温泉感覚でのんびりとリラックスしていてちょっとしたフィットネスクラブのよう。25m プールのほうも、子供たちが多い水曜の午後と週末を避ければのんびりと水泳が楽しめそうだ。バカンス期間以外の営業時間はかなり限られているが、通う価値は充分にある。入場の際、水泳帽の着用が義務づけられているのでご注意を。(館内でも10F で購入可能) *16 rue Thouin 5e 01.4325.5403 火・木:7h-8h、11h30-3h/水:7h-8h、11h30-17h30/金:7h-8h、11h30-13h、 17h-20h/土:7h-17h30/日・祝:8h-17h30 料金:大人16F/子供9F、10枚回数券130F 3カ月パス196F |