よく郊外の家の庭の芝生の隅などに、赤いとんがり帽子の小人が置かれている。ランプを持っていたり、切り株に腰かけていたり、まるで『白雪姫』の場面のよう。 ブーローニュの森のバガテル庭園で、この庭の小人 “Nains de jardin” の特別展が開かれています。祖先筋?の古代エジプトのベス神の像からアーチストの新作まで、約2000体もの小人たちが、入口近くの小さな城館を中心に集められている。 庭に小人を置くという風習がヨーロッパ各地に広まったのは、19世紀末からのことらしい。とくにドイツ、イギリスあたり、フランスではアルザスなど東北の地方に多いという。 ナンの生産地はナントかナンシーと思った ら、ほとんどがドイツ やオーストリアの生まれなんです。 孔雀の遊ぶ美しい庭園の、あちこちに隠れた小人たちを見るのも楽しそう。と思ったら、庭園に出ている小人はごくわずか。展示された芝生は立入り禁止だし、監視員の姿がやたらに多い。これはもしかしたら、庭に囲われ自由を失った小人たちを救出して、彼らが本来いるべき森に帰してやろうというカゲキ派グループ FLNJ =Front de Liberation des Nains de Jardin (庭の小人解放戦線) の動きを警戒しているのかもしれない。 でも、緑の木陰や水辺の草むらで遊ぶ小人たちは、なんとも幸せそうです。(稲) “2000 nains de jardin a Bagatelle” 7月23日まで。火曜休み。 M。 Pont de Neuillyから43番のバスで Place de Bagatelle下車。 |