半分アルゼンチン人の血が混じっている演出家ジェローム・サヴァリは、心が熱く、派手で騒がしく、子供のように単純で無垢な登場人物たちが、独裁者に支配されながら生きる南米の国 (とある国を皮肉っている? ) を話の舞台に選んだ。ひもじさのあまり、金持ちの権力者から受けた誘いを断れず、そのまま権力者の愛人となってしまう哀れな女ぺリコール、という筋立てさえ押さえていれば応用は自由自在。おまけにオペレッタ劇は楽しくなくては話にならないと、サンバのリズムから舞台はスウィングを始め、時にはジャージーに展開していく。 原作から見るとちょっとやりすぎ、と思えるところもあるけれど、この大胆で自由な発想と、演出以外にも歌ったり踊ったり、サヴァリ個人の趣味を押しつけながら、観客を「うーん」と納得させてしまうところはやはり凄い。もちろん好き嫌いはあるだろうけれど…。 特に第2部が良くて、あっという間の2時間半。 12/31日迄。80F~120F 。 (海) *Theatre National de Chaillot : Place du Trocadero 16e 01.5365.3000
* Theatre du Marais : 01.4278.0353 ●演劇がもっと好きになる *Andre Degaine / Guide des promenades theatrales a Paris (NIZET社発行/100F)
|