狂牛のあとはダイオキシン・チキン。

 3年前にEU諸国を襲った狂牛問題がまだ喉元を過ぎないのに、今度は飼料用のベルギー産動物性脂肪のダイオキシン汚染 !
 ベルギーのヴェルケスト社が1月15日から29日までの間に出荷した粉末飼料用の動物性脂肪がダイオキシンに汚染されていた(鶏の脂身1グラム当たり740ピコグラム )と、5月27日ベルギー政府が発表して以来、狂牛のとき以上の大混乱。鶏・卵の他マヨネーズや生パスタまで要注意 ! 仏政府はベルギー製品の輸入を禁止し、仏飼料業者も1月に同系支社(Alimex)から25D]の動物性脂肪を購入していたため、6月14日までに牛飼育業246社、養鶏業131社、養豚業3社を検疫措置に付し、21万7千個の卵と鶏肉109D]を回収した。
 動物性脂肪に加えられるリサイクル油の注入回路に欠陥があったためか、またはその油自体が汚染していたためかという2つの推測を基に、原因の調査が進められた。デハーネ首相は調査結果を待たずに、9日、養鶏業3266社のうち2456社に営業の再開を許可しており、消費者の不安は深まるばかり。欧州委員会はベルギー政府の安易な姿勢を強く批判し、農産物加工業の監視機関の統一化を緊急課題としている。6月14日のEU農相会議でグラヴァニ仏農相は、飼料から動物性成分を廃止し植物性蛋白質に代えるべきだと、大胆な提案をしている。そして年内にEUレベルで安全措置がとられない場合は、フランスだけでも動物性粉末飼料を禁止すると、強硬姿勢を示す。
 6月13日、ベルギーでは欧州議会選挙と下院選挙が同時に行われた。案の定、ダイオキシン問題が災いして、7年来中道左派連立内閣をなしてきたフラマン及びワロン系キリスト教社会党と社会党の4党が軒並みに大敗し、下院150席中82席から一挙に65席に激減。逆に、環境保護派は9席から20席に伸びている。デハーネ首相は翌日選挙の大敗とダイオキシンの責任をとり辞任した。6月初めに農相と厚生相も辞任し、チキンゲートがデハーネ政権にとって命取りになったよう。
 フランスでは緑の党がニワトリ騒ぎにあやかって予想を上回る9.72%を獲得し、9人の議員を欧州議会に送りこむ。
 安く速く(放し飼の鶏は飼育に80日かけるが大量生産では40日で採肉)肥らせるための動物性脂肪(4%)の使用が一般化しているばかりか、カナール・アンシェネ紙(6/6)は、「フランスでも飼料に下水処理槽の残留物が加えられる」というショッキングな農産物加工業の裏面を暴露している。
 欧州連合による資本・物資の流通の自由化はついに汚染した食品にもおよび、ダイオキシンにも国境がなくなったわけである。この記事を書いている最中にもベルギーと仏国内で、缶入りコカコーラによる食中毒が発生 ! (君)