“共和国の娼婦”とデュマ氏の関係。


「共和国の娼婦」とはモニカ・ルインスキーのことではなく、フランスで一年半前からエルフ石油会社贈収賄疑惑で話題になっているクリスチーヌ・ドヴィエ=ジョンクール (以下D-J) 夫人のことで、「共和国の娼婦」は彼女が最近出版した著書の題名。同疑惑で問題になっているのは彼女だけでなく、デュマ憲法評議会議長もこの政財界疑惑の渦中の人に。
 1990年断交状態にあった台湾へのフリゲート艦の輸出問題で、エルフ社に雇われたばかりのD-J夫人が、当時外相だったデュマ氏に禁輸解除を働きかけ、そのお礼に4500万耗:ぢのコミッションを受けたという収賄疑惑*からデュマ氏の尻にも火がつく。 
 デュマ氏は収賄の事実を全面的に否定しているが、彼の口座にスイスの銀行から1000万フランが送金されていたり、また3月3日のD-J夫人の新たな証言によれば、90年暮れに競売で彼女がデュマ氏のために落札したギリシアの小像12体の代金264,029Fはエルフ社から出ていたことを彼は知っていた。彼女はデュマ氏の口利きでエルフ社に入社した。ベルルッチ製オーダーメードの彼の靴の代金11000Fは、彼女がエルフ社のカードで払ったが彼はお金を返していないなど、D-J夫人は今まで庇ってきたデュマ氏の私生活まで暴露している。また3月17日の証言では、彼女がエルフ社の資金で購入したパリ7区の高級アパート(1750万フランも、デュマ氏への同社のシルヴァン元総務部長(国際指名手配中)からの”贈り物”だった、と明かす。”共和国の娼婦”の口から次々に吐かれる証言の”クモの巣”に、足を取られたデュマ憲法評議会議長。
 どこまでも”推定無罪”の原則にしがみつくデュマ氏もここまでくると、社会党内の仲間の一人に「ミッテラン時代は終わったよ」と皮肉られ、部下からも見放され、ついには憲法評議会議員たちの要請に折れて3月23日、”職務への障害”を理由に “休暇”をとることを発表。しかし、ここでデュマ氏が”休養”をとるのはむずかしそう。なぜなら2月にエルフ贈収賄疑惑の捜査を打ち切った女性判事ジョリ、ヴィクニエフスキ両氏がデュマ氏に関する捜査を再開したからだ。判事らは3月24日、南アに飛び、黒幕シルヴァン・エルフ社元部長の捜索を開始。一方デュマ側弁護士は予審判事らの”不公平な調査”を控訴院に抗議し両判事を忌避することを申請。ここしばらくは予審判事とデュマ氏、ドヴィエ=ジョンクール夫人との間で ”ネコとネズミ”の捕り物帳が続きそう。
 偶然とはいえ、欧州委員会総辞職の元凶となったクレッソン元仏首相にしろ、デュマ氏にしろミッテラン大統領の忠臣だった。ミッテラン時代に身に付けた君主制的な”ヨロイ”で身を固め政治的モラルも見えなくなり、尻に火がついても”引責辞職”なんてことはしない、仏政界人特有の体質が浮上したといえよう。

(君)

*D – J夫人は会社財産乱用隠匿や詐欺共犯未遂容疑で97年11月から5カ月間拘禁されている。

 

パスワードをお忘れの場合、OVNINAVI.COMに登録したE-mailアドレスにパスワードをお送りします。登録E-mailアドレスを入力してください。


戻る