ここ数年来、世田谷区下馬界隈が人気ゾーンになっている。三宿通りにはレストランやカフェが立ち並び、深夜には若手芸能人の姿を見かけることも。「ひと昔前はスパゲッティ屋が一軒あっただけなのに」と、地元っ子は町の変貌ぶりに驚いている。
今年1月、パリ風の店構えで世田谷公園前にオープンしたのが、写真の『Le Passage des cafetiers』。カフェ関連の物をマニアックに揃えている珍しい店だ。
「最初は喫茶店やパン屋さんに間違えられましたけど、最近では実際にカフェを開業するお客様もみえます」
そう語るのは白い上っ張り姿の若き店長、延永昭子さん。「当店のおススメは <PILLIVUYT社> や <APILCO社> の業務用の食器。積み重ねても割れにくいので、カフェやビストロの定番商品になっています」
パスタ、ジャム、天然酵母パンと食品類も豊富で、輸入解禁となった仏製 <ゲランドの塩>
もある。基本商品のコーヒー豆は、自家焙煎。中南米、ハワイ、ベトナム、アフリカ産など全17種の新鮮な生豆はその場で好みの深さ(10段階)に煎っても
らえる。その場合の待ち時間は約30分、11種のブレンドも含め、すべてテイスティング可能というのも嬉しい。エスプレッソ・マシーンも家庭用から本格的
な伊・ザッコーニ社のものまでズラリと並んでいる。
他にも店内にはカフェ・テーブルや椅子、コート掛けも陳列され、どことなくバスティーユのカフェ用品店「ベルク・アントワーヌ」に近い雰囲気が漂う。ア
ンティーク・ポスターや洋書もカフェやコーヒーにまつわるものばかりで面白い。「ご希望次第で取り寄せが出来る商品もあります」と最後に延永さん。長びく
不況でパリ旅行を節約したい人は、いろいろ揃えて、いっそ自室をカフェにしてしまうのも楽しそう? (マ)
*世田谷区下馬 2-44-7-1F 03-3410-8631