法律無視の巨大流通店に立ち向かう。

協会のプラカードを持つクロード・ディオ(左)さんと、自著を手にするマルチーヌ・ドネットさん(右)。

 マルチーヌ・ドネットさんの長年の夢は、南仏で毛糸の店を開くことだった。マルセイユに近いヴィトロール市でカルフールが運営するショッピングセンターに店を開いたが、センター側が拡張のため壊すとわかっていた場所を貸していたことが、後でわかった。その問題に加え、毛糸店のフランチャイズ契約の問題が重なり、ドネットさんは借金を抱えたまま店を閉めた。同じセンター内で洋品店をやっていた伴侶のクロード・ディオさんも同様の問題で店を閉じた。

2人は1994年に、小商店主や職人の権利を保護するアソシエーション「率直に言えば En Toute Franchise」を立ち上げた。自分たちの不幸のもととなったショッピングンセンターの拡張工事が実は無許可で行われたことを知った二人は、1995年、カルフール、カルフール不動産、ヴィトロール市を訴えた。訴えは予審で却下されたが、大型店の出店計画を綿密に調べ、その多くが違法であることを訴えるその後の活動につながっていった。

 法律を熟知している2人の元には、フランス全国の出店反対者から支援の要請が来る。反対者には近郊に大型店ができることで、近隣の既存の商店街や町が廃れ、シャッター街になってしまうことを危惧する商店主団体だけでなく、環境保護派もいる。数々の訴訟を行う二人は、反対者の心強い味方だ。(羽)