島のはなし。

©maki nakano

余寒とは無縁のカリブ海の島々。これらの島のなかには、フランス海外県(DROM)、海外自治体 (COM)がある。

 小アンティル諸島に位置する25km2の小さな島、サン・バルテルミー島もその一つ。今や観光が盛んだが、この地をフランスが領土とした背景には、奴隷制度、植民地制度という歴史の恨事がある。一年に一度の〈マルディグラ・謝肉祭〉
では、観光客、昔から島に住む人々、本土フランスからの移住者たちが共にカーニバルを祝う。仮装に音楽、街の賑わいが最高潮に達した翌日は〈灰の水曜日〉と呼ばれ、街を音楽と共に練り歩いた人形が、浜辺で焼かれる。

 カリブ海に浮かぶ、もうひとつのフランス海外県マルチニークが輩出した詩人、思想家のエメ・セゼールやエドゥアール・グリッサン、あるいは料理から音楽に至るまで、気候、土地、歴史によって育まれたクレオール文化。フランス語圏の異なる文化的背景をもつ人々、島に生きる人々とカーニバルを通して出会うことは、さまざまな歴史を乗り越えて、わたしたちに残された希望なのかもしれない。

 祭が終わり日常に戻った浜辺には碧い海が広がり、穏やかな島の時間が流れている。 (麻)


 

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