ファブリス・ニコリノさんは筋金入りのエコロジストでジャーナリスト。シャルリー・エブドの記者で、同紙襲撃事件で負傷し、今も後遺症が残っている。志を同じくする人たちと化学農薬全廃を要求するアソシエーション「ヒナゲシを取り戻すNous voulons des coquelicots」を6月に立ち上げた。モネも描いた野に咲く赤いヒナゲシは、フランスの田舎の初夏の風物詩だが、農薬で減ってしまった。「15年で鳥の3割が減った。20年で蝶の半分が減った。この国はもう昔の面影がない。こんな状況はもう嫌だ」と、ヒナゲシ運動のアピール文にある。9月12日の記者会見で、会長のニコリノさんは「目的は、2年で500万人の賛同を得ること。すごい数字に見えるかもしれないが、フランスでは数百万人が有機食品を食べている。彼らは農薬の毒を体に入れたくないんだ」と大きな運動になる可能性があることを強調した。12日以降、2週間弱ですでに19万人の署名が集まった。シンボルとなる、中心にSTOP PESTICIDE(農薬全廃)と書かれたヒナゲシのピンズは1個2ユーロで販売している。政界には働きかけず、市民運動にする、という。毎月第1金曜日の18時半から各自治体の市庁舎前でアピールのイベントをすることを提唱している。(羽)
https://nousvoulonsdescoquelicots.org