パリ市長を狙うヴィラニ氏出馬で、与党分裂?

9月5日付リベラシオン「ヴィラニ、オヴニー」。

与党「共和国前進(LREM)」のエッソンヌ県選出国民議会議員で数学者のセドリック・ヴィラニ氏(45)が9月4日、パリ市長を目指すべく、来年3月の市町村議会選挙(比例代表制)に出馬表明した。LREMは7月に政府の前広報官のバンジャマン・グリヴォー氏(41)を筆頭候補として公認しており、内部分裂の様相を見せている。

ヴィラニ氏は、パリ14区のカフェで「パリ市民に活力とプライドを取り戻させる自信がある」と、立候補を宣言。党の公認争いに敗れた後も水面下で出馬を準備していると報じられ、進退が注目されていた。

同氏は2010年に、偏微分方程式の分析などが認められ「数学のノーベル賞」とも呼ばれるフィールズ賞を受賞。国内外の大学で教鞭をとっていたが、政治活動を始め2017年に国民議会議員に当選。18〜19世紀のロマン主義を模したという蜘蛛のブローチなどのファッションで有名。二児の父。
エキセントリックなヴィラニ氏の出馬を、5日付のリベラシオン紙は 「ヴィラニ、オヴニー(未確認飛行物体)」と伝えた。

LREMは今春の欧州議会選挙で、パリで他党を引き離す32.92%の票を獲得し市議会選でも勝利が確実視されていたが、ヴィラニ氏の立候補により公認グリヴォー氏の当選も不透明となった。5日に発表された世論調査では、ヴィラニ氏への好感度は17%でグリヴォー氏の11%より高かった。グリヴォー氏は知名度では勝るが「黄色いベスト」運動時に政府広報官を務めていたことも影響し、ネガティブなイメージを持っているとした人が43%に上った。

欧州議会選で大幅に票を伸ばし、パリでLREMに次ぐ19.89%を獲得した環境保護派はダヴィッド・ベリアール氏を公認筆頭候補に選出。現職で社会党のアンヌ・イダルゴ市長はまだ出馬を表明していないが、時間の問題とみられ、他にも共和党で元法相のラシダ・ダティ氏など、右派左派、無所属から候補は乱立している。

LREMはヴィラニ氏の党籍剥奪は行わないと発表。今後、どちらかが身を引くのか、ふたりとも選挙まで突き進むのか、行方は不透明だ。同党はしがらみのない政治をうたっているが、実際は狭い友人グループで政権を運営しているとの指摘も多く、それを象徴するかのように党員選挙をせずに大統領と親しいグリヴォー氏を公認候補に立てた。そこに突如出現した「未確認飛行物体」ヴィラニ氏は、党支持者や市民の心をどれだけつかむことができるだろうか(重)。


 

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