欧米諸国で感染者が増加し続けているサル痘は、フランスでは8月3日までに2239例(うち入院45人)が確認されており、仏高等保健機関(HAS)の勧告を受けて、7月30日から検査が健康保険で100%払い戻されるようになった。
サル痘は1970年以降、アフリカ西部・中央部で主に発生していたが、今年5月に同地に渡航歴のない事例が英国で発生して以来、欧米諸国を中心に広がり、3日時点で85ヵ国、2万5054例(今年1月以降)、死亡11例が確認された。この広がりを受けて世界保健機関(WHO)は23日にサル痘を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に認定し、警戒を呼びかけている。米、西、独、英、仏の順に多く、欧米10ヵ国で世界の89%の事例を占める。ほとんどは軽症で快復しているが、スペインでは2日までに2例の死亡例があった。7月半ば時点で症例の98.8%が男性であり、性的指向が判明している事例中9割以上が男性間で性交渉を持つ人だった。
こうした状況を受け、フランスはリスクの高い人を対象に、5月末から痘瘡ワクチン「Imvanex」の接種を開始したが、ワクチン供給不足、ワクチン接種に医師の許可が必要なこと、接種場所・人員不足により、予約取得が難しいとの声が上がり、政府の対応の遅れが指摘されている。
ワクチンは当面、約4万2000回分が確保され、保健省によると4日までに約1万8500人が接種。当初は4週間後に2回目接種を設定したが、保健省は4日、理由を明らかにせずに接種の間隔を広げると決定した。HASは複数の相手と男性間性交渉を持つ人を25万人と見積もっており、接種の加速化を求めている。医学生や看護学生が接種できる政令が27日に出されたが、看護師が接種許可を出せるようにするべきとの声もある。
国内事例の6割を占めるパリ首都圏では、パリ市が26日にサル痘ワクチンセンター*を開設、1日からは週2000人の接種を目指す。30日からは検査(サル痘ウイルス遺伝子に特異なPCR検査)が健康保険で全額払い戻しになった。
*サル痘ワクチンセンターは、サル痘以外は扱いません。
全予約制なので、原則的に予約なしでは接種は受けられません。
*緊急の場合は15番。
Centre de vaccination Variole du singe - Ville de Paris
Adresse : 44 rue Charles Moureau, 75013 Paris , Franceアクセス : RER-C : Bibliothèque François Mitterand / M°7 : Tolbiac
URL : https://www.doctolib.fr/centre-de-vaccinations-internationales/paris/centre-de-vaccination-de-la-ville-de-paris-13e
月〜金 : 9h-13h/14h-18h、土 : 9h-13h