11月23日、ニコラ・サルコジ元大統領の「電話傍受事件」(別名「ポール・ビスムート事件」)の公判がパリで開始した直後に中断され、木曜日以降に延期となった。
「電話傍受事件」は、元大統領が自分の2007年の汚職事件を扱う検事に、捜査に関する情報を提供するよう要求、かつ判決を有利にするよう促し、見返りとして同検事にモナコ国務院のポストを提供することを約束したとされる事件。元大統領には「汚職」と「職権乱用」の疑いがかけられている。
今日の公判にはサルコジ元大統領、同じく被告として弁護士のティエリー・エルゾーグ氏、ジルベール・アジベール元検事(74)が出廷するはずだった。しかしアジベール検事が高齢と健康上コロナウイルス感染した際のリスクを理由に欠席したため、公判が少なくとも木曜まで延期となった。
「電話傍受事件」は別の事件の捜査中に発覚した。当局はサルコジ元大統領が、2007年の大統領選の際にリビアの故カダフィー大佐から不正選挙資金を受けた疑惑で、元大統領と、彼の40年来の友人で弁護士のティエリー・エルゾーグ氏ふたりの電話を傍受。そして、間もなく、二人が別のプリペイド携帯を「ポール・ビスムット」の名前で契約し、使っていることを発見した。その電話の会話から、2007年のベタンクール献金疑惑の裁判を担当するアジベール検事の贈収賄疑惑が浮上したのだ。ちなみに「ポール・ビスムート」は、エルゾーグ氏の古い旧友の名前だという。
元大統領は裁判で無罪を主張するといわれているが、有罪が確定すれば10年の禁固刑、100万ユーロの罰金、公民権停止、公務禁止などが科されることになる。