ルペン「プーチン」「ナチ」、マクロン「金持ちのための大統領」。
誰だか分からないほど顔に落書きされた極右政党・国民連合RNマリーヌ・ルペンのポスター。「人種差別者、ファシスト、ホモ嫌い、トランスジェンダー嫌い…リスト長すぎ」と書き込みもある。ポスターの書き込みは1、2語のなぐり書きが多いがこれは丁寧だ。パリ4区では、第一回の投票はマクロン41%、ルペン5%の得票率だった。
編集部がある10区はジャン=リュック・メランションが38.45 %と首位。マクロンは2位で31.47 %、ルペンは4.24 %だった。第一回投票後も、極右反対デモ、若者たちの未来のためのデモなどの左派系集会が持たれ、決選投票に残ったルペン、マクロン両候補のポスターの痛めつけられ度はかなりのもの。広場近くで、市民が書き込んだ「メッセージ」を読んでみた。
警察による暴力
「32人の失明者 (32 eborgnés)」と書かれた、マクロン候補ポスター。片目には「✖︎」印も。黄色いベスト運動制圧のために警察はゴム弾を多用し、これまでに32人が片目を失った。マクロン政権5年間の警察の暴力を象徴するものとなった。
マクロンとカネ、ルペンとプーチンの関係。
マクロンの額に「ISF(富裕税)を戻せ」。5年前、大統領就任直後に富裕税(ISF)を廃止し、同時に、低所得世帯を対象とする住宅手当(APL)を5ユーロ減額したマクロン大統領はそれから「金持ちのための大統領」と言われ続けることになった。
ルペンのポスターには「プーチン」の書き込み。プーチン大統領とは関係が強く、2014年の武力によるクリミア併合も批判(「非合法ではない」)せず、5年前の大統領選挙ではプーチンに近い銀行から金を借りたことが批判され続けている。決戦投票前の両候補のディベートでもマクロン大統領から「借金があるからロシアを批判できない」ことを指摘された。