小林里佳子さん(32歳)
9月にオープンしたレストランMAISONのシェフ・パティシエール小林さんは、23歳でパリに来て現在10年目。小学生のときからパティシエールになると決めていた。「高校生のときにはお菓子をよく作っていて、パウンドケーキを夜中3時まで何度も焼き続けて、オーブンの前で寝てしまったりしていました」。高校卒業後は迷わず東京の専門学校へ進み、製菓を学んだ。卒業後はフレンチレストランのタテルヨシノへ。コース料理の一部としてのデザートの世界を知り、魅了された。
入店してしばらくし、当時パリにあった同店の支店ステラマリスで働くために渡仏。そこで、現在の店のシェフ渥美創太さんと出会う。「いつか店を作ったら一緒に働こう、と話していて、10年後に本当に実現しました」。その後、アガペ、ダヴィッド・トゥータン、クラウン・バー等で働いた。特に記憶に残っているのは、ステラマリスのスペシャリテ「クイニーアマン」。「あまり好きなお菓子じゃなかったけど、ステラマリスのは軽くカリッとして、それまでのイメージと全然違いました。今の店でも、当時学んだレシピをアレンジして時々お出ししています」。
MAISONの計画が持ち上がったのは3年ほど前。当初、2018年初旬にオープン予定だったが、今年秋まで延期されたため、すでに集まっていたキッチンチームは店が開くまでの期間に、東京、ロンドン、ニューヨークなど世界各地のレストランでポップアップイベントを行った。この経験が、チームの絆を深めてくれたという。「今やっと、誰の真似でもない、自分らしいデザートが出せるようになりました。味の構成はシンプルに、デザインは可愛く店の雰囲気に合うものを。今日の食事は美味しかったな、と最後にじんわり感じてもらえるような品を作っていきたいです」。(恵)
昼のコース 55€
夜のコース 90€(6皿)140€(8皿)
MAISON
Adresse : 3 rue Saint-Hubert, 75011 Paris , FranceTEL : 01.4338.6195
アクセス : M° Rue Saint-Maur
URL : http://www.maison-sota.com/
日月休 12h30-15h30, 19h30-23h00