テラスが賑わう季節になり、周りはもうバカンスの話をしている。海辺に行きたい、異国情緒も恋しい、美味しいものが食べたい。そんな願いを、陽気な隣国スペインのタパスバーで一足先に叶えよう。
小皿料理とはいえ6€からと手が出やすく、価格高騰が厳しい昨今において、この価格をキープしているのには頭が下がる思いだ。一番の人気料理は、タパスの代表ともいえるFriture de calamar(13€)。店によって部位や揚げ方にかなりの違いがあるが、この店のはイカと下足の唐揚げに近い。カラッとしていて塩加減も絶妙で、これが食べたいがためにいつも足を運んでしまう。
定番トルティーヤはTortilla jugosaと呼ばれるタイプのもので、jugosaはフランス語で言うところのbaveuse、中が半熟の状態を指す。カラメリゼされた玉ネギの甘さと、少しとろりとした食感がたまらない。チョリソ、ロモ、セラーノのハム盛り合わせ(9€)や、羊乳チーズのマンチェゴ(7€)も取って気分は最高潮。
ここでなくてはならないのが Pimientos de Padrón(7€)。シシトウの一種で、素揚げに軽く塩を振るだけのシンプルの極み。ハムやチーズ、揚げ物類が魅力的なスペイン料理ではどうしても野菜に欠ける。合間にこれをつまむことでバランスも取れ、何より美味しい優れものなのだ。あれこれ頼んでみんなで分け合うのはやっぱり楽しくて幸せ。
ビールならサンミゲル。自家製のサングリアはグラスから1Lのピッチャーまで。ワインはグラスで4€から、ボトルもほとんどが20€台だ。ガリシア地方のアルバリーニョ種で作られるリアス・バイシャスの白が、切れ味とコクのバランスが素晴らしかった。(み)
Le Petit Calamar
Adresse : 243 rue du Faubourg Saint-Antoine, 75011 ParisTEL : 09.8506.4405
アクセス : M° Faidherbe-Chaligny
URL : https://www.lepetitcalamar.com
12h-14h30/19h-23h 日月&火昼休