日本とフランスの俳優が、ひとつの舞台の上で、それぞれの言語で演じるチェーホフの『桜の園』。演出はジュヌヴィリエ国立演劇センターのディレクター、ダニエル・ジャンヌトー。現代演劇で知られる演出家が古典作品を手掛けるのは、日本と関連がある。
SPAC静岡県舞台芸術センターの芸術総監督、宮城 聰(さとし)氏からの〈古典作品を新しい視点で上演する〉という「お題」に、このチェーホフ最後の作品を選んで応えたのだ。コロナの衛生対策のための規制のなか準備や稽古が進められ、昨年11月に日本で初演された(規制のために、新しく考案された演出もあるそう)。
『桜の園』を選んだのは「コロナ禍だけではなく、地球温暖化、環境汚染、多くの種の絶滅など、世界が大きく変わっています。チェーホフによるこの戯曲も大きな社会変動が起きる直前を描いている。革命を予見していたのかもしれません。今は革命ではなくとも、社会の変動の兆しがある」とジャヌトー氏はインタビューで説明している。
貴族で桜の園の所有者だが浪費グセがあり、借金を抱えるラネーフスカヤに鈴木陽代、ラネーフスカヤの家族に仕える農奴だった家出身だが商人となり、桜の園を買うことに成功するロパーヒン役にはカンタン・ブイッスー。SPACの俳優たちは日本語で、ジュヌヴィリエの俳優たちはフランス語でセリフを言う。違う言語が舞台でいり混じることは支障となることはなく、かえって「地球のあちら側とこちら側にいながらも、私たちは同じ社会の変化、同じ悲劇を生きている、そんな現実感が出せた」という。
21世紀初頭の文学の世界と、今の世界、がどのように交差するのか。舞台をお楽しみに。
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★11月19日(土)公演後にコンサート(無料*演目とは関係ありません)をお楽しみいただけます。
★11月20日(日)の公演(16hー)後は、演出家のダニエル ・ジャンヌトー、ママール・ベンラヌー + 日仏役者さんたちが観客とのディスカッション。
演出:ダニエル ・ジャンヌトー
舞台美術:ダニエル ・ジャンヌトー、ママール・ベンラヌー
アーティスティック・コラボレーション : ドラマツルギー、映像
作:アントン・チェーホフ
翻訳:アンドレ・マルコヴィッチ、フランソワーズ・モルヴァン(仏語)、安達紀子(日本語)
劇場 : ジュヌヴィリエ国立演劇センター(下に地図)
期間:11月10日(木)〜28日(月)
時間:月20h-、木20h-、金20h-、土18h-、日16h-。
*13(日)と20日(日)は、公演終了後、劇団員らとのトークあり。
*月、木、金は公演終了後、パリへの無料シャトルバスあり。停車はPlace de Clichy, St-Lazare, Châtelet, République。劇場で当日登録。
T2G Théâtre de Gennevilliers - Centre Dramatique National
Adresse : 41 avenue des Grésillons, Gennevilliers , FranceTEL : 01 41 32 26 10
アクセス : Gabriel Péri (ligne 13)
URL : https://theatredegennevilliers.fr/
月、木、金は、公演終了後パリ方向へ向けての無料シャトルバスあり。Place de Clichy, St-Lazare, Châtelet, Républiqueに停車。劇場で当日登録。