
5月。カンヌの町では恒例の映画祭が開催される。レッドカーペットを歩きカメラに向かってポーズをとるスターたち、ビーチ沿いの大通りに並ぶパラスホテルや高級ブティック…。華やかなイメージばかりが先行する町ではあるけれど、ハーバーから連絡船に乗れば、20分ほどで小さな島に行けてしまう。サント・マルグリット島とサントノラ島。古代、地元で信仰されていた神の名にちなんでレロ島、レリナ島と呼ばれていたため、「レランス諸島 (Îles de Lérins)」と総称される。

ひとつの島には軍事建築家ヴォーバンが築いた、当時の最先端の要塞 「フォール・ロワイヤル」跡がある。要塞はルイ14世の時代、特別待遇の囚人の監獄となり、今もなお謎に包まれた「鉄仮面」が幽閉されたことで有名だ。島に行けば、断崖絶壁に保存されている独房を見ることができる。もうひとつは5世紀に創設された修道院の島。今も修道士たちが、戒律に沿って生活をしながら、ワインやオリーヴオイルを製造している。
それぞれの島が独特な歴史を生きてきたが、今はどちらも森がひろがり、静けさに包まれた憩いの地。岩を打つ水の音、野鳥のさえずり、葉ずれの音。ただよう花の香のなかで過ごしていると、心が清らかになるようだ。(六)

【パリからの行き方】
パリ・Lyon駅からカンヌまでTGVで5時間。
カンヌ駅から船着場までは中心街を通って徒歩15分。所要時間はマルグリット島へは15分、サントノラ島へは20〜25分。ふたつの島を結ぶ船はないので、どちらもカンヌから往復チケットを買うことになる。
◉カンヌ観光局 Office de tourisme – Cannes
1 bd de la Croisette 06400 Cannes
Tel. 04.9299.8422
公式サイト:www.cannes-france.com
島ではGPSがあっても道がすべて表示されるわけではないので、観光局か船着場で地図をもらって行こう。

◎連絡船
Ile Sainte-Marguerite サント・マルグリット島へ:
www.horizon-lerins.com
19€〜13.5€(5〜12歳)、5歳未満無料。
Ile Saint-Honorat サントノラ島へ:
https://cannes-ilesdelerins.com/groupe/FR/horaires-traversees-cannes-saint-honorat.pdf

◎島での食事
どちらの島にもピクニックに理想的な場所が多い。ゴミ袋を持参してゴミは持ち帰る。サント・マルグリット島にはカフェ・レストランが2軒。サントノラ島はレストラン(右ページに情報)が一軒。

▶︎▶︎▶︎いよいよ、島へ。

