年金改革に抗議するゴミ収集者のスト開始から一週間が経過し、パリの路上に約5600トンのゴミがたまった。パリのほかにもナント、アンチーブ、サンブリユ、ル・アーヴルなどでもストが行われている。
このスト継続に関して3月14日、ゴミ取扱い業労組 CGT の投票が行われ、20日(月)までの続行が決まった。収集だけでなく、ゴミを取り扱う全業種がストライキを続ける。
ゴミ収集は、場所によっては早朝、夜、大型で26トン、19トンのトラックを市街地で運転しながら数百の大きな容器からゴミを収集する。肉体的にハードな作業だが「苦痛度 pénibilité」は認められておらず、リタイヤは現行62歳。改革法案が通れば64歳まで働くことになる。国民平均より7年間寿命が短いとされる職種の人たちにも他業種と同じ定年年齢を適用するのは不可解だ。
コロナ禍中、多くの人が自宅で仕事をしていた間もごみ収集は続けられていた。それに対して大統領もテレビ演説で「第一線の医療関係者、(ごみ収集を含む)第二線の職業の人たちに感謝する」と言っていた。しかしコロナが落ち着いてマクロン政権が国民に告げたのは「定年退職の年齢は62歳から64歳にする」方針だった。
パリのごみ収集はほぼ半分がパリ市、半分が民営企業によって行われている。現在のストライキはパリ市の職員が行っているため、パリのほぼ半分の地域でゴミが収集されていない状態だ。しかし民営企業の焼却炉なども封鎖が行われているため、今後は今まで収集が行われてきた場所においても影響がでる可能性もある。
3月15日は、国民議会議員7人+上院議員7人で構成される合同同数委員会(CMP)での審議、その翌日16日9時には上院で、15時からは国民議会での採決が行われる。
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