北フランスの愛鳩文化。

連盟本部会長のオフィスにて、デュピュイ会長。背後の旗は、かつて愛鳩連盟が7月14日革命記念日のパレードで掲げていたもの。

若い愛鳩家たちの活躍に期待。

フランス愛鳩連盟 ジャン=ジャック・デュピュイ会長

フランス愛鳩連盟の本部は、国内で最も愛鳩人口密度の高いオー・ド・フランス地域圏の主都リールにある(1849年、フランス初の愛鳩協会が設置されたのもリール郊外ルーベ)。1950年代に会員が連盟に寄付したという3階建ての建物内では、日々職員3人が季刊誌の編集、レースや鑑賞鳩コンテストなどの開催に奔走する。

会長のジャン=ジャック・デュピュイさんは 「父親の鳩舎で生まれ、鳩とともに大きくなった」。20歳の時、住んでいた地区の愛鳩協会の責任者を引き受け自分でも鳩を飼うように。鳩の平均寿命は15年と言われるが、デュピュイ家には長寿の21歳の鳩がいたこともあった。キッチンに入ってきては家族の一員のように過ごしていたという。

手づくりの木箱に、鳩を入れて協会へ。この日は、10羽の若い鳩(1歳未満)をレースにエントリー。

校長を務めていた学校にも「教育鳩舎」を作った。「生徒が2人で1羽の面倒をみるんです。餌やり、鳩舎の掃除など。私が鳩レースに参加する時には一緒に協会に来たり、帰舎を一緒に待ったりもしました。勉強面でも、鳩を通してさまざまな科目を教えられます。レースの放鳩(スタート)地の話をしながら地理を、戦時中の鳩の役割を話しつつ歴史を、飛翔距離と帰舎にかかった時間から分速を計算したり、鳩の生態や気象なども学べます。でも子どもにとっては何より、生き物と自然に触れられるいい経験だったと思います。学校で鳩レースを企画した時は親たちも応援に来て、校庭は人でいっぱいでした。子どもたちが卒業する時、鳩との別れを泣いて惜しんだ光景は一生忘れません」。

フランスの愛鳩人口は50年代の最盛期の10分の1に減った。「今は昔と違って、さまざまレジャーを経験でき、頻繁にバカンスを楽しむ時代。昔の女性は夫がやりたいことを黙って見ていましたが、今は違います(愛鳩者には男性が圧倒的に多い)。近ごろの男性は、鳩にかまけて食事を抜いたり、家族との時間を犠牲にし家庭を崩壊させないよう留意しています。住宅事情の変化もあります。庭に鳩舎を持つ人は多いですが、その昔は家の屋根裏で鳩を飼う人も多く、家にいると天井から鳩の足音が聞こえたものです」。愛鳩人口の高齢化もある。今年は300人の会員を失った。「とはいえ、今年の仏選手権の上位3人は30歳以下なんですよ」。女子(飼い主)レース、初心者などの新しいカテゴリーも盛況だという。

気になるのは、最近鳩の帰還率が下がっていること。「通信技術の発達で大気中を様々な電波が飛び交っていることや、鷹類が保護種であるために繁殖し、鳩を襲撃することが多くなったことなどが考えられます。そして猛暑。果たしてレースの途中で清い水を飲めているのか、定かではありません」。

今年はレースで好成績を出したベルギーの鳩が、中国のコレクターに125万ユーロ(1億5800万円)で売れたが「世間が愛鳩文化に注目するという点で好ましくはありますが、それが私たちの目的ではありません」。

鳩を始めたい人は、フランス愛鳩連盟に問い合わせて、近くの協会を紹介してもらおう。鳩をまだ飼っていなくても「協会の誰かしらが、ヒナをくれたり、鳩舎設置のアドバイスをしてくれるはず」と会長。

連盟本部外観。

Fédération Colombophile Française :
Tél: 03 2006 8287    fcf@nordnet.fr
www.colombophiliefr.com

1 2 3 4 5

 

パスワードをお忘れの場合、OVNINAVI.COMに登録したE-mailアドレスにパスワードをお送りします。登録E-mailアドレスを入力してください。


戻る