3つの国の文化が香る 自分らしい料理を求めて。

JAYさん(39歳)

 日本人の父と韓国人の母を持つJAYさん。小さい頃から家庭の食卓には和食と韓国料理が並び、2つの祖国の味に慣れ親しんできた。高校までは韓国のソウルで育ち、その後東京の音響専門学校へ。本当は料理を学びたかったが、両親の反対にあったためひとまず学校を卒業し、音響の技術者として働いた。

 料理を学ぶ資金を貯めて、向かった先がパリ。30歳を目前にしてコルドン・ブルーで学び、フランス料理の世界へ飛び込んだ。「ハーフの自分はまるでビビンパみたい。いろんな文化が混ざり合っていて、それが持ち味です。自分の個性を表現するためには、すべての料理のベースであるフランス料理をやるべきだと思いました」。

 ロブションやカフェ・デ・ミュゼなど数店で経験を積み、2016年に老舗キャビア専門店Boutaryがオープンしたレストランのシェフに就任。自分自身で1皿1皿を生み出していく責任を負うことになり、これまでの経験が確実に活きていると感じるようになった。

「ゼロから皿を構成していくのは、音楽の仕事にとてもよく似ているのに気づいて驚きました。料理を考えるときには、韓国・日本・フランスで感じた香りやビジュアルが自然に混ざって思い出されます。料理って人生がそのまま反映されるから面白い」。

(左)ホタテのカルパッチョとチップス、黒トリュフ。(上中)ラングスティーヌのポシェ、レモングラスとショウガの香りのブールブランでフォアグラ、マンダリン果汁とオマールのソース42€(上右)本日のキャビア<<ア・ラ・ロワイヤル>> ※ア・ラ・ロワイヤル=手の甲にのせる食べ方(下中)ガリス牛のタタキ ウニとキャビア、青リンゴとセロリ(下右)本日のキャビアをのせたジャガイモ、酸っぱいクリームと。21€。

 キャビア専門店であるBoutaryのレストランで提供する料理は、あくまでキャビアが主役。「キャビアが一番美味しくなるように、まわりは引き立て役、でも確実に全体の味は良く」という条件があるためにとても難しく、常にチャレンジだという。

5月にはパリにてレストランの2号店、また夏頃には東京で1号店がオープンする予定。国際色豊かなJAYさんならではのキャビア+αの料理が今後も多く生み出されることに期待したい。(恵)


Boutary

Adresse : 25 rue Mazarine, 75006 Paris
TEL : 01.4343.6910
アクセス : M°Odéon
日月と土曜の昼休 12h15-14h/19h30-22h