フランス人はイギリス人ほど紅茶を飲まないので、イギリス人を皮肉ってか〈Ce n'est pas ma tasse de thé〉と言う時は、婉曲的に「私には合わない、私は〜に弱い」を意味し、はっきり言えば「嫌い」と言いたいところ。英語ではどう言うのかロンドンにいる友人に聞いてみたら、まったく同じく〈It's not m...
日本でいう窓際族にすることをフランス語では〈Mettre au placard〉(戸棚に入れる)という。ダニエル・オートゥイユ主演(F. ヴェベール監督)の『Le Placard メルシィ!人生』はサラリーマンの閑職化過程を描くが、オートゥイユは解雇されないためには戸棚から出るほかない(Sortir du pla...
人生半ばの50代、事業も順調、子供も巣立ち、家では妻とテレビの前で無言で送る毎日。昼時、仕事がひと段落し、新聞でも目をとおすかと思う、そんなとき、気の許せる若いセクレタリーか、心に思っている彼女とどこかで逢い引きし、かつての青春の思いをもう一度…と思うのでは。エルベ・バザンの小説『Le Démon de minuit(...
〈Tirer son épingle du jeu〉(きわどいところを救われる)の由来は15 世紀の少女たちの遊びの一つで、壁に円を描き、その中に刺してあるピンにボールをぶつけてピンを落とすゲームから来ているとみられる。たとえば、竹ひごを使ったゲーム、ミカドをしながら、2、3本が重なり合っている時に、そーっと息もつかず...
どんな困難にぶつかっても動揺せず騎士や軍人のように背筋をのばしている姿勢。たとえば、次期大統領候補を目指しているジュペ(元首相談・現ボルドー市長)のことをメディアはしばしば〈Il est droit dans ses bottes〉(落ち着いて構えている)と表現し、感情的、衝動的に大言壮語する政敵サルコジ前大統領との間...
16世紀の九柱戯〈jeu de quilles〉(今のボーリング)で、〈coup blanc〉(空振り)の〈coup 〉を仏中央部ベリー地方では〈chou〉(シュー:キャベツ)と言っていたので、〈faire chou blanc〉 と言えば、外れる、失敗すること。庶民の間で人気のあった〈jeu de quilles〉は...