Le démon de midi(昼の悪魔)(5)

人生半ばの50代、事業も順調、子供も巣立ち、家では妻とテレビの前で無言で送る毎日。昼時、仕事がひと段落し、新聞でも目をとおすかと思う、そんなとき、気の許せる若いセクレタリーか、心に思っている彼女とどこかで逢い引きし、かつての青春の思いをもう一度…と思うのでは。エルベ・バザンの小説『Le Démon de minuit(真夜中の悪罵)』のように誘惑は、中間帯にやってくるので、〈le démon de midi〉 (昼の悪魔)と言われる。夫のよろめきに怒った妻は、最後には〈Elle lui a donné un bouillon de 11 heures〉(夜の11 時にスープをあげた)。つまり毒入りスープを。