この表現は16世紀頃から使われ始めたと言われ、〈première chemise〉は現代のシャツのことではなく、乳児がおむつや産着から初めて服らしい服〈chemise〉に着替えさせられた。誰にも思い出せない「最初の服」のことで、〈S'en moquer comme de sa première chemise〉「…をバ...
「オムレツの両端を切断する」とは、ジュペ=ボルドー市長がマクロン大統領の当選時に言った表現。両端とは極右ルペン派と、極左〈服従しないフランス〉のメランション派のことで、保革共存を目指すマクロン派の「共和国前進」与党を築くにはこの両端を切れば、うまくいくという意味。オムレツはまた、〈On ne fait pas d'om...
〈retourner sa veste〉は、誰かを裏切って「鞍替えする」こと。〈opportuniste〉「日和見主義者」のことで、しょっちゅう意見を変える人は〈IIl tourner comme une girouette〉(風見鶏が回るように意見を変え)、〈une girouette〉「ご都合主義者」と呼ぶ。やはり...
〈Tourner ses pouces〉「何もしないでいる」という表現は、何もすることがなく両手の指を組み余った親指をくるくるまわすことで、19世紀前半に登場したといわれ、19世紀後半から〈se tourner les pouces〉が定着した。映画のシーンにもよく出て来る場面で、何かを待っている状態の人が両手を組み2...
16世紀には 借金などを返済するときに手帳に記した借金額をX印で消していたように〈Faire une croix à quelque chose〉「何も残らずに決済する、あきらめる」ときに使われたが、19世紀には キリスト教のイメージを借りて、〈Faire une croix sur le dos de quelqu'...
〈cocagne〉とは青色染料に使われたアブアナ科タイセイのこと。形容詞〈de cocagne〉は「浮き浮きする、極楽のよう」。中世時代に南仏ロラゲ地方(Lauragais)でタイセイが栽培され、栄えたため〈la vie de cocagne〉「極楽生活」、〈le pays de cocagne〉「桃源郷」という表現が...
この表現の由来は、ラテン語の〈ad unguem〉(sur le bout des ongles)から来ているといわれ、ローマ帝国時代の石工が大理石の表面を爪で引っ掻いていたことから、フランスでは〈Savoir / Connaître sur le bout des doigts〉は17世紀に現れ、後にフランス語を学ぶ...
この表現は19世紀半ば、パリの売春婦などが使い始めたと言われている。たぶん客とベッドの上で仰向けになって天井を見る機会か多かったのだろう。クモは、誰も気がつかない天井のすみなどに巣を張りがちだが別に害を及ぼさない。〈Avoir une araignée au plafond〉(天井にクモがいる)の〈plafond〉(天...
〈Couper le/son vin〉(ワインを水で割る)という表現は16世紀からあり、水で割ってアルコール度を軽くするという意味。〈Mettre de l'eau dans son vin〉(ワインを水で薄める)を、1694年アカデミー・フランセーズは「激怒を鎮める」こととした。今日では、思い上がりや強い要求をなだ...