Un pays de cocagne(桃源郷)63

〈cocagne〉とは青色染料に使われたアブアナ科タイセイのこと。形容詞〈de cocagne〉は「浮き浮きする、極楽のよう」。中世時代に南仏ロラゲ地方(Lauragais)でタイセイが栽培され、栄えたため〈la vie de cocagne〉「極楽生活」、〈le pays de cocagne〉「桃源郷」という表現が使われ、他所の人から羨まれるようになる。しかし17世紀からインドやアジアからインジゴ(藍)が入り始めたのと、ベルリンで開発された化学染料、紺青プルシアンブルー(ベルリンブルー)により、タイセイ染料は衰退していった。