Yehudi Menuhin “The Complete American Victor Recordings” 2016-05-23 音楽 0 ユーディ・メニューイン生誕100年記念のCD6枚組で、1928年から1951年までの演奏が収められている。一番の聴きものは、1945年録音のブルックのヴァイオリン協奏曲。これだけ情熱が昇華している演奏は他にない。モノラルだが、ストラディヴァリウスの響きが美しい。49年録音で初C [...]
レ・ヴィキング - ズーク以前のグアドループ島の音楽。 2016-05-18 音楽 0 20世紀の話。それまでFNACに行けばあらゆるレコードが手に入ると思っていたが、そこに置かれていないものが、バルベスやピガールやシャトー・ルージュで売られていることを知ったのは80年代後半のことだった。マグレブ(カセット)、アフリカ、アンティルの音楽は、その出身者たちの間だけで大 [...]
Ten Years After 2016-05-13 音楽 0 60年代半ばから、英国には素晴らしいギタリストが続出する。ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジョン・メイオール、そしてアルヴィン・リー。彼が率いるテン・イヤーズ・アフターは、1969年のウッドストックで『I’m Going Home』を演奏し、ア [...]
Arno “Human Incognito” 2016-05-02 音楽 0 先週、ブリュッセルにアルノーを聴きに出かけた。多発テロの犠牲者追悼のメッセージや花で覆われた証券取引所と目と鼻の先にある会場は満員でエネルギーにあふれる。 新しいアルバム『Human Incognito』からの曲で始まった。バンドが若返り、ギターはうなり、ドラムスは強靭なリズム [...]
自転車とローラーとヌーヴェル・ヴァーグが好き。 2016-04-19 音楽 0 「私が3歳の時に、あの車が発売されたのよ」と、オリジナルは私なのにと言いたげな顔。でもそれは他ならない自分の名前だし、そう呼ばれたい名前だから。クリオ・トゥルヌー(本名)はステージネームを「クリオ」としてデビューした。生まれも育ちもフランスの極東、フランシュ・コンテ地方の主邑(し [...]
CD : Lou Reed “Berlin” 2016-04-17 音楽 0 ロック界の孤高の名盤だけれど、その底知れない暗さのせいかラジオにも流れないので、知らない人が多い。娼婦キャロラインとジムの出会いから、彼女の自殺までを追ったコンセプトアルバムで、リードが見据える人間世界の暗部が、心をえぐる詩と歌で表現されている。「でも、彼女は死なんてこわがってな [...]
EXPO : The Velvet underground 2016-04-17 音楽 0 50年前の1967年に、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド (以下VU)のファーストアルバムが出た。有名なジャケットはアンディ・ウォーホルの手になる黄色のバナナ。1964年、ルー・リードとジョン・ケイルはNYで出会い、意気投合してバンドを結成。ウォーホルは、VUの演奏にほれ込み、 [...]
Sidiki Diabaté 2016-03-31 音楽 0 マリの首都バマコ生まれのシディキ・ディアバテは、今年23歳。代々コラという弦楽器を弾き続けてきたグリオの家系に属し、父はトゥマニ・ディアバテ、祖父は同名のシディキ・ディアバテで、いずれも最高のコラ奏者。昨年11月、フィルハーモニー・ド・パリで、父親のトゥマニと共演し、その成熟し [...]
Leila Schayegh “Bach/Sei Suonate” 2016-03-19 音楽 0 バッハのヴァイオリンとハープシコードのための6曲のソナタは、音楽が自然に流れていく名曲が続いて大好きなのだが、このアルバムはその決定盤になるか もしれない。どんどん人気が出てきている、バロック・ヴァイオリンの若手レイラ・シャイエと、チェンバロのイェルク・ハルベックの演奏は、速い [...]
寒く湿ったブリュッセルの春を謳歌する ベルジチュード 2016-03-15 音楽 0 この原稿を書いている現時点の窓景色は、3月になったというのに雪嵐の天気。おお寒。「雨樋から落ちる雨水が僕らを直撃するから、アパルトマンの雨戸を全部閉めて春を祝おう」という歌い出しの歌「シャルラタン(いかさま師)」は、春は名ばかりのペテン師と歌うのだが、「これは典型的なブリュッセ [...]