石井光太『遺体』の仏語版が出た。

3月7日にSeuil社から出版された『Mille Cercueils』は、一昨年の震災のとき津波に襲われた岩手県釜石市の、遺体安置所を取材した石井光太氏のルポ『遺体』(新潮社刊)の仏語版。膨大な数の犠牲者が発見される中、検死に動員される医師、葬儀屋、搬送を担った市の職員、多くのボランティアなどが彼らの遺体をどう...

林瑞絵『パリの子育て・親育て』

子を育てながら親も育てられる、というテーマで続いたオヴニーの連載が一冊の本になった。妊娠、出産、たまたま通りかかったトラックの荷台に書かれていた「MILA」をそのままとってミラと命名。そのミラさんがもうすぐ10歳になるまでの、子と母親(林瑞絵)の付き合いが、さなざまなエピソードと共に描かれていく。父親のジルやフ...

避けては通れない漫画3作品

Ed. Tonkam 9.35 €    現在、フランスにおけるマンガの売り上げでは、尾田栄一郎の『ワンピース』、真島ヒロの『FAIRY TAIL』、岸本斉史の『NARUTO』などが上位を占めている。またフランスの芸術家の間でもファンが多い谷口ジローは、芸術文化勲章〈シュヴァリエ〉を受章し、日本人漫画家の...

『影の部分』秦早穂子著

リトルモア社。1680円。 映画『勝手にしやがれ』の邦題の名付け親で、現在もジャーナリストとして健筆をふるう秦早穂子氏の自伝的小説。ヌーヴェル・ヴァーグの息吹を間近で感じた数少ない日本人による第一級の映画資料でもある。 「舟子」こと幼少期の「私」と、20代で単身パリに渡り、映画業界に身を置く「私」が、交互...

稲葉宏爾『ガイドブックにないパリ案内』

ひと昔前に植草甚一という偉大な「東京の散歩者」がいたが、飽くことを知らない「パリの散歩者」といえば稲葉宏爾。彼の、『ガイドブックにないパリ案内』を全面的に改訂したこの一冊を読んだり、その写真を見たりしていると,よくもまあ、これだけ歩いたものだと感心してしまう。パリの街に投げかけられる著者の優しい視線。そしてそれ...

『その女(ひと)の名はロジィ:ポール・クローデルの情熱と受苦』

ポール・クローデルの『真昼に分かつ』の女主人公イゼのモデルとなった女性とは誰だろうとずっと気になっていた。家族と共に中国に行く船上でフランス領事クローデルと知り合い、恋愛関係に陥った人妻だ。 彼の子を宿したままベルギーに渡り、別の男性と結婚。二人は13年後に再会した。なんとも身勝手な女性に聞こえるが、本書...

『日本脱出記』 読み始めたらやめられない大杉栄パリ滞在記。

今年4月、土曜社から 発行され、版を重ねている。952円(税別)。 1976年かな、パリに住み始めたボクは、たまたま読んだ大杉栄の『日本脱出記』にとっつかまってしまった。そこには、無政府主義による革命を固く信じながらも、奔放で、自由な精神を第一とし、人生、女、子供をこよなく愛した男の息吹きがある。 192...

ブリュッセル:エルジェとチャンの友情物語

今回はブリュッセル特集。そこでタンタンとチャン、というかタンタンを生み出したエルジェとチャンの物語。1934年、エルジェはブリュッセルの美術学校に留学中の中国人チャンと出会う。どちらも27歳だった。チャンの話を聞きながら、『Lotus bleu  青い蓮』の構想がふくらんでゆく。『青い蓮』の看板や垂れ幕の漢字が...

ダニエル・クロウズの『Mister Wonderful』

しばらく前にニューヨークタイムズに連載され、今年4月に米国で一冊の本になって発売されたダニエル・クロウズの『Mister Wonderful』が、さっそくフランス語に翻訳されて出版された。 思春期を脱しつつある若者たちを描くのが得意なクロウズだが、今回の主人公のマーシャルは50代か。独り住まいで、金も未来...

林瑞絵『フランス映画どこへ行く』

花伝社発行 2000円+税。 映画好きの友人と嘆き合った。「最近のフランス映画はつまんない」、「いつも同じ俳優、シナリオ重視、生きてない、な〜ぜ?」。こんな疑問を抱いている時に出会ったのが、現代フランス映画の社会学といってもいいこの新刊。林瑞絵はパリ在住のジャーナリスト。このオヴニーにも「映画」について書いても...
 

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