フレッドの精緻な鉛筆画、セシルの独自の審美眼。 “Fred Deux-Cecile Reims” 2008-10-01 アート 0 本格的な美術展がまだ始まっていないパリで、一番おすすめの展覧会がこれ。半世紀にわたって仕事も生活も共にしている素描家の夫と版画家の妻の回顧展だ。モンマルトルの美術館とマレ地区の画廊で同時開催されている。 パリ郊外の貧しい労働者家庭に生まれたフレッド・ドゥ(1924-)は、幼いこ [...]
人間は皆素晴らしい。 “Richard Avedon Photographies 1946-2004 2008-08-01 アート 0 リチャード・アヴェドン(1923-2004)のフランス初の回顧展。見終わったあとにすがすがしさが残った。アヴェドンの人間性に触れ、彼の人を見る目の深さに浸ることができたからだろう。 ニューヨーク生まれ。大学を終えて、デパートの宣伝写真を撮っていたときに、ファッション誌「ハーパー [...]
幻想的な場所を創り出す。 “Leonora Carrington” 2008-07-01 アート 0 神秘主義にアニミスム、魔術、シュルレアリスム、ファンタジーや神話の要素が混じった作風のレオノーラ・カリントン(1917-)は、イングランド北部の富裕な事業家の家庭に生まれた。母、祖母、乳母からケルト神話やルイス・キャロルの物語を語り聞かせられ、幼いころから現実を超えた見えない世 [...]
カミーユとロダンの違い。 “Camille Claudel, une femme, une artiste” 2008-06-02 アート 0 ロダン美術館で、17年ぶりにカミーユ・クローデル展が開催されている。 今回は、19世紀後半という時代と、当時の女性彫刻家という面からカミーユの作品を再考するのが主眼だ。会場の解説を読めばテーマと作品の関わりがわかるので、ここではあえて言及しない。 それよりもこの展覧会では、 [...]
彼女が語らない無意識の部分。 “Louise Bourgeois” 2008-05-01 アート 0 長いあいだ封印されていた家族の過去の出来事やタブーを直視することで、身体的、心理的な傷を癒す療法がある。ポンピドゥ・センターで開催中のルイーズ・ブルジョワ(1911-)の回顧展を見ると、彼女が美術を通してそれを行っていることがわかる。全編が私小説であり、過去との葛藤だ。アート・ [...]
タブーのないアートは楽しい。 Gelitin “La Louvre-Paris” 2008-04-01 アート 0 オーストリアの4人の男性作家(アリ・ヤンカ、ウォルフガング・ガントナー、トビアス・ウルバン、フロリアン・ライター)による創造集団〈ゼリチン(以前の名称はゼラチン)〉の展覧会は、知る人ぞ知るの、今春の一大美術イベントだ。作品数は3000点以上。 展覧会用のポスターは、彼らが作った [...]
Art dans la Cité:『レインボー・プラネット』 2008-04-01 アート 0 1999年創立の協会〈Art dans la Cité〉はEU諸国の病院に各国のアーティストを招待し、病院での作品展示や患者とのワークショップなどの活動を広めている。 昨年はフランスのアーティスト、レオポルデーヌ・ルーが四国の徳島国立病院に招待された。今年は日本人 [...]
子供を見る目がいい。 “Alexandre Charpentier (1856-1909)” 2008-03-01 アート 0 Linette Aman-Jean, 1908 Paris, musée d’Orsay; © Photo RMN, Hervé Lewandowski オルセー美術館: 4月13日迄。9h30-18h、木21h45迄。月休。 G [...]
想像力が刺激される。”Eija-Liisa Ahtila” 2008-02-01 アート 0 ジュ・ド・ポーム。月休。3月30日迄。 G A L E R I E: Alain Blondel 共同経営者3人と1971年に作った近代美術の画廊が消滅後、それを引き継ぐ形で、ブロンデル氏が1978年に創立した。1967年の出会い以来、タマラ・ド・レンピッカが死ぬまで彼女を紹介 [...]
自然への崇敬が伝わってくる。 “Ferdinand Hodler” 2007-12-01 アート 0 オルセー美術館 9h30-18h 木~21h45。月休。2月3日迄。 G A L E R I E: Downtown 20世紀の建築家がデザインした家具を専門に扱うギャラリーだ。 オーナーのフランソワ・ラファヌール氏は、30年前、バイクの事故にあった時に手に入った賠償金を元に [...]