「形の前にリズムがある」 Aurelie Nemours 2004-08-01 アート 0 今年94歳のフランス人抽象画家、オーレリー・ヌムールの一大回顧展が、ポンピドゥ・センターで開催されている。 ルーヴルの美術学校で、美術史という知的理解から絵画に入ったヌムールは、卒業後、実践を目指して、ポスターで有名なグラフィック作家、ポール・コランに師事した。第2次大戦対戦 [...]
パンを素材にして…。 Pain Couture by Jean-Paul Gaultier 2004-07-01 アート 0 パンという日々の糧を、ファッション界の寵児ジャン・ポール・ゴルチエが扱ったらどうなるか? その答えがこの展覧会だ。 「美術館で回顧展をするのは自分の趣味ではない」というゴルチエは、パンを素材とした作品を展示するというアイデアを展覧会の企画者から提案され、大いに制作意欲をそそら [...]
構図や色使いの大胆さ。 Paris 1400 2004-06-01 アート 0 1400年前後のパリという、日本人にはあまりなじみのない時代がテーマだが、フランス史に疎い人も必見。息を呑むほど完成度の高い作品が多く、見ごたえ十分の展覧会だ。 シャルル6世の治世(1380~1422)は、イギリスとの戦争の再開(百年戦争の一環)や、内戦など暗い出来事で彩られ [...]
これが意外に面白い。 Moi! Autoportrait du XXe siecle 2004-05-01 アート 0 20世紀の画家たちの自画像を集めた展覧会、というと、「寄せ集めか」と思いがちだが、これが意外に面白い。 メキシコのフリーダ・カーロのように、多くの自画像を通して自分史を語る画家もいるが、これは例外。通常、作品中に自画像が占める割合はかなり少ない。だから、自画像は、作品の後ろに [...]
瞬間に込めた未来への希望。 Rene Burri写真展 2004-03-01 アート 0 葉巻をくわえたチェ・ゲバラやピカソのポートレートで知られる写真家ルネ・ビュリの半世紀にわたる写真展が開かれている。 ビュリは1933年チューリッヒ生まれ。報道写真家としてマグナム・エージェンシーのメンバーとなり、1956年のスエズ戦争をはじめ現在まで世界中の主要な出来事を追い [...]
充満する軽やかなエネルギー。 Cy Twombly展 2004-02-01 アート 0 アメリカ抽象表現主義の流れをくむ画家、サイ・トゥオンブリのデッサン展がポンピドゥ・センターで開かれている。これはサンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館が主催し、昨年開催されて好評を博した展覧会がパリに巡回して来たものだ。1953年から現在に至るまで、彼のキャリア全域を網羅す [...]
10年来、フランスがホームグラウンド。 2003-12-01 アート 0インタビュー 佐藤利成さんはパリ在住のアーティスト。東京芸大の学生だった80年代、アートの領域まで外国のコピーが氾濫する風潮に疑問を持つ。まずは自分が生まれた日本がどんな背景を持っているかを知るのが先と、茶室特有の小さな出入り口「躙(にじ)り口」の制作に没頭する。何度も形を変え進化を遂げた作 [...]
抽象の起源。 Aux origines de l’abstraction 1800-1914 2003-12-01 アート 0 『抽象絵画の源を探る』というテーマの展覧会は、フランスではこれが初めて。 第一部では、当時の科学的発見や理論に影響を受けた、19世紀以降の光の扱いの変遷を紹介する。1810年に「色彩論」を発表したゲーテは、色彩は明暗のコントラストから生まれることを説いた。続いて1839年、 [...]
ジャン・コクトー展。 Jean Cocteau – Sur le fil du siecle 2003-11-01 アート 0 先日リベラシオン紙で、アーノルド・シュワルツェネッガーのカリフォルニア知事選騒動の行方を、アクション映画に見立て大いに皮肉った記事を見た。「アウトサイダー的ヒーロー(俳優シュワルツェネッガー)が並外れた野望(知事選出馬)を抱くが、数々の試練(誹謗・中傷、不利な証言)が待ち受ける [...]
イメージのラディカリズム。Valie EXPORT 2003-10-01 アート 0 ヴァリー・エキスポート。オーストリア出身、1940年生まれ。おそらく映像作家でフェミニズムの流れのもっともラディカルな一人だろう。 もちろん、このアーティスト・ネームはオーストリアのタバコの名前からもじったものだ。1966年頃から活動を開始し、ウィーンのアクション・アーティス [...]