–帽子成形用の木型職人 — 曲線へのセンスが大切。 2009-06-15 オヴニー社会科 0 美しい帽子作りの裏には、人の頭のラインを知り尽くした職人の仕事がある。パリの証券取引所近くにアトリエを構えるロレンゾ・レさんは、formier(フォルミエ)と呼ばれる世界でも数少ない帽子用木型作りの職人さん。シャネル、ディオール、サンローランと、お得意さまには一流メゾンの名前が [...]
現代アラビア書家 — 絶妙なバランスの綱渡り。 2009-05-15 オヴニー社会科 0 アッサン・マスディさんは、フランスにアラビア書道を広めた第一人者。ウルク運河に小雨が降り注ぐあいにくの空模様にもかかわらず、小さなアトリエには人足が絶えない。 故郷のイラクで幼いころから伝統的な書を学んできたというアッサンさん。政治情勢が悪化した1960年代後半、フランスに亡命 [...]
手回しオルガン職人 2009-04-15 オヴニー社会科 0 「手回しオルガンは 旅する路上の楽器だよ」 ピエールさんはフランスにおける手回しオルガン職人の第一人者だ。「noteur(楽譜を作る人)」として、音を生む穴を開けながらミュージックロールを作り、販売している。もともとピアノやファゴットの演奏家であった彼は、曲のアレンジだってお手 [...]
紋章彫り師 — 揺らぎない 自分の起源を確認する。 2009-03-16 オヴニー社会科 0 フランスでも片手で数えられるほどしかいないGraveur héraldiste(紋章彫り師)を生業とするジェラールさん。毎朝、11区のアトリエに着いても、直ちに仕事に取りかかることはない。「瞑想するように少しずつ自分の内面に近づいていく。精神状態はヨガと似ている」 [...]
ルリユール(製本)工房 — 製本家には忍耐力がいる。 2009-02-16 オヴニー社会科 0 人影もまばらなパリ11区の路地に、突如、目も覚めるようなブルーの外観のアトリエが目に飛び込んだ。ここは、古く傷んだ本を修繕したり、世界で一冊の装丁の本を産み出すルリユール(製本)工房だ。見慣れない製本用マシーンの隣には、ハサミ、ピンセットといった小道具が、機能的に並べられている [...]
フランソワーズ・ドルト — 子供にも一個の主体性…。 2009-01-15 オヴニー社会科 0 子供への精神分析治療の研究で名高いフランソワーズ・ドルト。昨年は生誕100周年でメディアもこぞって特集を組んだ。今回はドルト資料館のスタッフ、ソフィーさんに、初心者向けレクチャーをお願いした。 ドルトの思想の核となるのは? 子供も「一個の主体性を持った人間」であるということです [...]
パスツール研究所の一般開放デー — 今年はノーベル医学賞2人。 2008-12-15 オヴニー社会科 0 先日、創立120周年の記念事業の一環として、パスツール研究所が一般開放された。展示あり、講演会あり、実験アトリエあり、研究室の見学会ありと、盛りだくさんの2日間、ふだんも一般公開されている博物館も、入場無料だった。 まずは大ホール内の展示スペースを見学。今年は、1983年のエイ [...]
都市の風景に溶け込んだ遊園地 — ナントは文化で町おこし。 2008-11-17 オヴニー社会科 0 「生活満足度ナンバーワンの町」。これは5年ほど前、オヴニーが大西洋に臨む港町ナントを特集した時に使った惹句。この15年来、毎年人口が約1%ずつ増え続けるナントは、今も元気のある町だ。なぜ大躍進が続いているかといえば、ひとつは文化が町の活性化に役立ってきたということがある。実際、 [...]
パリが本部の国際機関ユネスコ:戦争は心の中で生まれる。 2008-10-15 オヴニー社会科 0 今回は、さりげなく実施されているユネスコ(国際連合教育科学文化機関)のガイド付き見学会に参加。まずはユネスコの理念や活動を紹介した短編映画の鑑賞からスタート。ユネスコは大戦直後の1945年に創設され、教育、科学、文化への取り組みを通し、平和の実現を目指す国際機関である。有名だが [...]
日本人作家による吹きガラス工房– 作品に人生が出る。 2008-09-15 オヴニー社会科 0 フランスのほぼ真ん中に位置するシェール県ムアン・シュル・イエーヴル。世界遺産の大聖堂で名高いブールジュからも近いこの町に、日本人作家による吹きガラス工房がオープンした。代表の岡本暁史さんは巨匠伊藤賢治氏に師事した後、2003年に渡仏。妻の悠倫子さんと製作活動を続けてきた。消防署 [...]